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建通新聞社(中部)
2015/11/12

【三重】伊賀線新駅は四十九町に 伊賀鉄道

 伊賀市は、伊賀鉄道(伊賀市上野丸之内61ノ2)が運営する「伊賀線」への新駅設置計画について、四十九町地内で建設候補地を選定し、測量調査などに着手した。建設候補地については、11月中に開催する予定の市議会・議員全員協議会で報告する考えだ。事業は、市が駅舎を建設し、完成後に伊賀鉄道に譲渡する形としており、順調に進めば、2016年度に設計、17年度の工事実施が見込まれる。今回の委託業務は、新駅整備に係る測量設計と地質調査の2件で、いずれも全日本コンサルタント中部支店(四日市市)が担当。委託工期は16年3月22日。
 同事業は、伊賀市四十九町自治会からの新駅設置を求める請願を受け、市が事業化の検討に着手した。基礎調査を踏まえた基本設計を12月までの設計工期で進め、需要調査、駅設置に係る技術的な条件、費用対効果などの観点で調査し新駅候補地を選定した。設計担当は全日本コンサルタント中部支店。
 対象地域には過去に伊賀線の旧四十九駅があったが、1969年に廃止された経緯がある。当時の設置位置は、鉄道と国道422号が交差する地点より北側付近とされ、現状では家屋がある。今回の新駅設置では、地元から要望のあったイオンタウン伊賀上野に近接した地点とし、今回委託した測量、地質調査で、同地点の鉄道敷き内を対象に調査を実施する。
 現在の伊賀鉄道の14駅のうち、10駅が無人駅で、待合所やトイレの有無などの設備面で違いがあり、新駅の形態についても原則、無人駅とし、乗降ホームと簡易な屋根の設置程度としている。トイレなどの設備の必要性は設計の中で検討する。事業化に当たっては、国などの補助事業対象を前提に、周辺のまちづくりと一体化した計画づくりを進める考えだ。
 今後は市議会への報告後に地元への説明を行い、地元同意を得た上で、16年度から実施設計に着手する予定。
 伊賀線は当初、近畿日本鉄道(近鉄)が運営していたが、赤字路線のため、07年に近鉄と沿線自治体が出資して設立した伊賀鉄道に移管され運営されている。線路や駅舎などの施設は近鉄が保有している。15年3月には、伊賀線を「公有民営方式」(伊賀市が第3種鉄道事業者)へ移行することで合意し、17年4月から新体制での運営を目指している。

提供:建通新聞社