トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/11

【群馬】拡幅か架け替えか 磯部温泉の鉱泉橋

磯部温泉近くに架かる鉱泉橋について、安中市は老朽化対策と利便性向上を目指し、工事を行う。現橋を拡幅・補強するか、架け替えるかを検討しており、現場条件や予算、地元への影響などを踏まえ整備手法を決める。河川管理者の県や地元と話し合いを重ね、整備計画を具体化させる。
磯部温泉の玄関口に架かる鉱泉橋。多くの観光者を出迎え見送ったこの橋も設置から60年以上経った。
当時の基準で造られたため、大型車がすれ違うには狭く、老朽化も進む。近隣を走る一般県道磯部停車場線から温泉街へのルートにあるが、県道より低い場所に温泉街があるため、緩やかに坂を下った先に橋が見えてくる。
富岡製糸場の世界遺産登録を機に近隣の安中市は、地元観光業の活性化を目指す。磯部温泉への誘客に向けたインフラ整備として市は、かねてから鉱泉橋の改良を計画。本年度から本格的に整備手法の検討を始めた。
担当者は現状について「現橋拡幅か架け替えかで検討している。まだどちらになるか分からない」と説明している。
それぞれの工程や工事費、近隣への影響、対策実施後の橋の寿命などを比較している。ただ、老朽化が進むため、現橋を拡幅・補強しても、どれくらいの期間橋がもつかは不明だ。
土木課によると、同橋は磯部温泉脇を流れる碓氷川に架かる。1952年(昭和27年)建設で、道幅は片側歩道を含め全幅7mと狭い。橋のたもとには温泉旅館「舌切り雀のお宿磯部ガーデン」があり、その奥にも多くの旅館や商店などが並ぶ。観光バスも頻繁に通るが、すれ違いは困難な状況だ。
橋はRC造のT桁橋。橋長は66・1mで、6径間ある。市は拡幅するか架け替えるかを決めるため、中央コンサルタンツ(愛知県名古屋市)に、現況調査と整備手法の検討業務を委託。その成果品を基に関係機関などと協議を進める。
拡幅、架け替えについて市担当者はいずれも「物理的には可能であることが分かった」と話す。ただ仮に架け替える場合、河川法の基準に照らし合わせ、現在より桁下を高い位置に造る必要があるという。現在の見込みでは、特に右岸側(磯部温泉側)を上げる必要があり、橋取り付け部の改良が必要になることも踏まえ、整備方針を決めるという。
拡幅、架け替えいずれの方法をとるにしても、地元には大きな影響がある大事業。市は今後も河川管理者の県や地元観光業者らと入念な話し合い進め、整備の方向性を定める。