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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/11/13

【群馬】沼田市グリーンベル21の駐車場棟は指名へ


沼田市中心部にある大型商業施設「グリーンベル21」(下之町)のU街区・駐車場棟の改修工事が、近く指名通知される。工事の完了は来年3月中旬を見込んでおり、改修は建物全体にわたる。工事費は、9月の補正予算の工事改修費2億2464万円から充当。改修内容と金額面から、大規模改修工事になることは間違いないようだ。商業施設棟についても基本設計が先ごろ委託されたところ。長きにわたって検討されてきたグリーンベル21の再活用が、いよいよ開始される。
駐車場棟はS造7階建て・延べ床面積1万2073uで、築20年以上が経過している。
改修内容は、シート防水になっている屋上部分の防水工事や外壁の改修、塗装のやり直しを含む鉄骨の補修工事など、建物を全面的にリニューアルする。エレベーター2基のうち、1基の更新も検討されている。
耐震基準に合致しているため耐震化の必要はないが、商業施設棟とともに長く使用していくため、改修工事を行いながら必要に応じて補強を実施する。実施設計は、群馬県住宅供給公社(前橋市)が実施した。
市は、来月1日から工事完了時期の来年3月中旬まで、一部期間を除いて駐車場を閉鎖する。工事は、3月から市が商業施設棟で開催する「真田丸」展に間に合わせたい考えだ。
先月には、I街区・商業施設棟の基本設計がプランツアソシエイツ(東京都中野区)に委託された。履行期限は、来年3月末の予定だ。駐車場棟と商業施設棟の3階につながる渡り廊下も、この基本設計の対象に含まれている。
商業施設棟の規模は、S造7階建て・延べ床面積2万8900uとなっている。
商業施設棟の利用方法は大きく市庁舎、商業業務施設、市民生活施設の3つに分かれる。基本設計ではこの3つを踏まえ、市庁舎がどこに入るかといった各階のレイアウト、利用方法、改修する箇所などが取りまとめられる。市は、商業関係者からスペースの使い方や賃貸料などに関して意見を聞き、基本設計や来年度に予定される実施設計に反映させる考え。また、商業コンサルタントなどに業務を委託し、県内外の商業関係者の意向をヒアリングする案も検討している。
駐車場棟と同様、耐震基準は満たしているが、各フロアの利用方法によっては荷重がかかる階や間仕切りの撤去、外壁に窓を新たに設けるといった可能性もあり、基本設計の中で耐震補強についても検討される模様。耐震化だけでなく、防災面についても考慮していく。
市は、来年度の当初予算に商業施設棟詳細設計業務の費用を計上する計画だが、経費削減や工期短縮などを考慮し、設計と施工を一括で発注する「デザインビルド方式」の採用も視野に入れるという。
現有施設の新築工事を担った前田建設工業(東京都千代田区)は、ことし6月から商業施設棟の調査を実施。その結果、外壁や屋上の防水、空調やトイレ、給排水設備の配管、照明などで改修が必要と判断。建設後に大きな改修工事を行っていないことからも、大がかりな改修が必要となりそうだ。
市が作成した「グリーンベル21活用基本構想」の中では、来年度に商業施設棟の実施設計、17年度から19年度にかけて商業施設棟の改修工事などを行い供用開始と記されているが、今後の展開によっては、完成が早まる可能性もある。