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日刊建設タイムズ社
2015/11/13

【千葉】建産連が7項目提案/県土整備部との意見交換会/改正品確法の順守徹底など

 県県土整備部(永田健部長)と千葉県建設産業団体連合会(鈴木雅博会長)との意見交換会が12日、千葉市内のオークラ千葉ホテルで開かれ、建産連から県に対し、@公共事業予算の安定的・持続的な確保((一社)千葉県建設業協会)A改正品確法の順守徹底に向けた体制整備((一社)千葉県電業協会)B発注関係事務の適切な実施((一社)千葉県道路舗装協会)C低入札価格調査基準(最低制限価格)における「一般管理費等」の算入率の引き上げと上限枠の撤廃((一社)千葉県造園緑化協会)D適正工期の確保((一社)千葉県空調衛生工事業協会)E県産品コンクリート製品の使用促進(千葉県コンクリート製品協同組合)F受注機会の確保と発注時期の平準化(千葉県建設防水工事業協同組合)――の7項目を提案・要望した。

  「予算確保」と「適正工期」
  この日は、県土整備部から永田部長をはじめ、滝浪善裕・災害・建設業担当部長や各課長ら19人、建産連からは鈴木会長をはじめとする正副会長と理事のほか、構成団体の長や専務・常務理事及び事務局長ら25人の総勢44人が出席し、互いに熱い意見を交わした。
  双方を代表して先にあいさつした鈴木会長は、この意見交換会が「県内建設産業が直面する共通課題を取り上げ、県土整備部の幹部のみなさんと質疑を交わすことができる貴重な機会である」との認識を示したうえで「何よりも現下の公共工事の発注量が抑制傾向にあることが問題だと考える」とし、政府に対して「直近の数年間に行われた、大型補正予算の編成と当初予算を一体運用して切れ目なく発注出来るようにするなど、経済の本格回復を図るための対策に本腰で取り組んでもらいたい」との期待を寄せた。
  一方、建産連については「公共事業関係予算の確保により、地方経済と地域建設業や関連する産業の活性化が図られるよう、今後とも提案活動を強化していかねばならない」と言明。今回の意見交換会では「公共事業予算の安定的確保に向けた対応や改正品確法の順守徹底に向けた体制整備、発注関係事務の実施、工期の設定や受注機会の確保に関することなど、共通して取り組むテーマを取り上げた」と説明するとともに「県土整備部のみなさんの率直な見解が示されることを期待する」との言葉を投げ掛け、あいさつとした。
  
  誤ったイメージ/払拭していく姿勢

  これを受けて永田・県土整備部長は、国の大型補正への期待が高まる一方で「我々が取り組む公共事業は、ともすると景気刺激の材料として使われてきたがために、『公共事業は無駄なもの』という誤解を招いた」と指摘。それを払拭していくためには「本来、我々が造ったり管理をしている道路や河川、港湾、公園などのストックというものが、別に景気を刺激するためのものではなく、出来上がってから長く人々に使われることで、品質を均一にしたり、安全安心な環境をつくることに結びつくことを、きちんと訴えていく必要がある」と言明。それらの環境を整えていくことは「ひいては我々の仕事をいずれ引き継いでくれる若い人たちに、この業界への入職を勧めることにも結びつくのでは」との考えを示すとともに「担い手の確保は業界にとって大きな課題ということは我々も認識している。みなさんと協力し、その問題の解決にも取り組んでいきたい」と述べた。
  先日発表した「完全週休二日制」については「本県では将来を担う若手が入職しやすい環境をつくるということで、県工事の現場において完全週休二日制度の実現を目指すモデル工事を実施したい」と弁。建産連に対しては「今後、受注等をした際には、是非とも積極的な取り組みをお願いしたい」との協力を要請するとともに「その結果を受けて、来年度以降の展開について検討していきたい」との考えを示した。
  「効率的な施工」提唱
  さらに「入職者を増やしたり、世の中の人の公共事業に対する理解を高めていくためには、我々が行っている仕事をより効率的に、若しくはスマートに行っていることを見せていく必要がある」とした氏は「我々業行政を含めて今後、みなさんの業界に求められていることは『効率的な施工』だと思う」と強調。「指示をした段階で、まだ具体的には固まっていないが」と前置きしたうえで「効率的な施工の優れた事例などを集めた『ベストプラクティス集』のようなものを作り、業界のみなさんの色々なところで活用したり、肉体労働だけではない、知的で効率的な建設業界へのイメージを持って頂くために役立てて頂きたい」と提案した。
  インフラのストック/効果と「県版・くしの歯」
  今月18日の「土木の日」にちなみ、17日から27日まで、県庁1階のロビーにおいて『千葉のポテンシャルを生かすインフラ〜インフラのストック効果〜』の小冊子の事例を大きなパネルにして展示するプランを公表。また、先日発表した九十九里・南房総沿岸部における津波被害時の道路啓開計画〜千葉県版『くしの歯作戦』〜については「万が一の津波災害の時に、如何にして救援ルートを切り開くか。東日本大震災の折に東北地方で展開された『くしの歯作戦』を参考に、あらかじめの段階から『万一の時にはこういったことを行っていこう』ということを先に決めておくことが大事だという思いでつくったものである」と説明。名刺の裏書に「私の気持ちとして『大津波災害に備えて策定しました。万一の時は、国、県、そして地元の建設業者等が協力して、被災地への支援・救援ルートを切り開きます』という言葉を加えた」と紹介し「これを実施するためには、地域の建設業、建設に関わるみなさんの力が不可欠であるということで、色々な説明の場では、必ずその辺を付け加える考えでいる」と弁。
  最後に「みなさんの力をお借りして、今後ともより良い社会基盤整備と管理を通じて、千葉県民のより良い生活を守っていきたい」と述べ、あいさつを結んだ。k_times_comをフォローしましょう
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