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建通新聞社(中部)
2015/12/07

【三重】2015年版環境白書まとまる 三重県

三重県は、2014年度を中心とした県の環境の状況や15年度の取り組みなどをまとめた「2015年版環境白書」を作成した。新エネルギーの導入や不法投棄の是正措置、生活排水処理施設整備などの施策や今後の取り組みなどを盛り込んだ。
 項目別の主な内容は次の通り。
〈低炭素社会の構築〉
 三重県新エネルギービジョンに基づく取り組みでは、県の公共施設などへの太陽光発電設備の導入で14年度に県の交通安全施設に0・04`hの設備を設置し、累計で1222`hとした。
 新エネルギー普及支援事業では、14年度に1事業所、55世帯で、太陽熱利用設備、バイオマス熱利用設備などを設置した。
 木質バイオマスの混焼発電利用では 松阪市で県内初の木質バイオマス発電施設が14年11月から稼働したほか、16年夏の営業運転に向け、津市や多気町で木質バイオマス発電施設の建設が進められている。
 農業用水を活用した小水力発電では、14年度に中勢用水地区で小水力発電施設の整備に着手した。15年度末の発電開始を目指す。
〈循環型社会の構築〉
 産業廃棄物の排出状況を見ると、13年度は全体で850万5000d。種類別では、汚泥が49%、がれき類が19%を占める。業種別では、製造業が38%、建設業が23%、鉱業が18%など。再生利用量は365万5000dで、総排出量の43%を占める。内訳は、がれき類が39%、家畜ふん尿が25%、汚泥が13%など。
 リサイクルの推進状況では、下水道汚泥の有効利用で、汚泥発生量約66・7万d(脱水ケーキベース)のうち97・5%をセメント原料、緑農地への利用などで有効利用を図った。浄水場で発生する汚泥の有効利用で、汚泥発生量5070立方bのうち、埋め戻し材(2330立方b)、グラウンド改良材(1480立方b)などで有効利用を図った。
 適正処理の推進として、11年度から施行した「優良産廃処理業者」の認定件数は、県外事業者186社(前年比32社増)、県内事業者82社(同20社増)の計268社(同52社増)とした。
 過去の不法投棄などの是正措置では、四日市市大矢知・平津町、四日市市内山町、桑名市五反田、桑名市源十郎新田の4地区について、13年度に恒久対策に着手し、22年度までに完了する予定。
〈水環境の保全〉
 生活排水対策の推進を見ると、14年度末の生活排水処理施設整備率は82・2%と前年度に比べ1・4ポイント上昇したが、全国平均の89・5%に比較して7・3ポイント低い状況。特に公共下水道の普及率は50・7%と、全国平均の77・6%を大きく下回った。今後、生活排水処理アクションプログラムに基づく整備推進を図る。
 浄化槽の設置では、15年度は24市町を対象に約1600基の整備に対して補助を行う。市町が主体となる浄化槽の面的な整備では、15年度に津市、松阪市、多気町、大台町、南伊勢町、名張市、紀宝町での整備に補助を行う。
 農業集落排水事業では、14年度までに144地区で事業が完了した。計画人口に対しての事業進捗状況は88・2%となっている。

提供:建通新聞社