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建通新聞社四国
2015/12/01

【香川】香川県 南海トラフ震源地震など具体的津波対策等盛る 海岸保全基本計画変更案

香川県は南海トラフ地震への具体的な津波対策などを盛る「県海岸保全基本計画変更案」をまとめた。同計画によると、基本方針として地震・津波対応で南海トラフ地震等による地震・津波に対し海岸保全施設の整備や液状化対策等のハード面の対応を進めつつ、住民意識の向上や避難、情報伝達体制づくり等も含むソフト面の総合対策に取り組む。併せて持続的な海岸保全施設の安全を確保するために予防保全の考え方に基づく適切な維持管理を行う。同案に対するパブリックコメントは12月14日まで。
 讃岐阿波沿岸(徳島圏域含む、香川県651`)と燧灘沿岸(愛媛圏域、同67`)に大別。変更案では防護に関する施策で地震・津波対策の強化を明記し、津波対策で中央防災会議(内閣府)において提示された二つのレベルの津波の考え方を盛り込んだ。
 比較的発生頻度の高い津波(L1津波)に対してはハード面から現行高潮計画と整合しつつ海岸保全施設を整備。最大クラスの津波(L2津波)に対しては安全な場所への避難を基本に、全壊に至る時間を延ばす粘り強い施設構造とするなど、総合対策を実施する。また津波対策による整備対象海岸を追加。海岸漂着物等の処理方針を追記。維持修繕に関する事項では修繕、補強における粘り強い構造への工夫方針を追加している。環境施策では生物多様性の保全や海岸協力団体制度を盛り込んだ。
 変更案は、南海トラフ地震などへの具体的な津波対策のほか、生物多様性や漂流物などの新たな観点からの環境対策、既存施設の老朽化に対する長寿命化対策など社会環境やニーズの変化を背景に改定する。

提供:建通新聞社