トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2015/12/01

【福井】一般部門平野純薬本社ビル住宅部門大森の家/第2回ふくい建築賞/公開審査で最優秀作品決まる

 県内の建築士が手掛けた優れた建築作品を顕彰する「第2回ふくい建築賞2015」(北陸工業新聞社福井支局後援)の公開審査会が28日、福井市下馬町の県立図書館多目的ホールで行われ、一般建築部門は「平野純薬本社ビル」(設計者=五十嵐啓・IG設計室)、住宅部門は「大森の家」(設計者=山祐三・住まい工房設計室)が最優秀賞に輝いた。
 2部門に計18点の応募があり、1次の書類、2次の現地審査の結果、一般建築2点、住宅3点の計5点が最終審査にノミネート。最終審査はプレゼンテーション形式で一般にも公開され、設計者は質疑を含め計15分間の持ち時間の中で、設計趣旨や設計過程での苦労話などを紹介した。
 審査は水野一郎氏(日本建築家協会名誉会長、金沢工業大学教授)、吉田純一氏(福井工業大学建築生活環境学科教授)、高嶋猛氏(福井大学建築建設工学科講師)の3氏が当たり、それぞれの作品の魅力や課題を議論した後、会場の投票ボードで最も評価する作品に印を付けた。
 「平野純薬本社ビル」(福井市)は、若いオーナーと福井工大の学生が一緒になって設計を進めた。「近未来」をコンセプトに、近接する県立図書館、市立美術館の福井を代表する建築との関係性を意識して外観やデザインを決定。企業テーマである若さ溢れるエネルギーとチャレンジ精神・スピード感をデザインに追求した。五十嵐氏(福井工大准教授)は「我々の拙いアイデアをオーナーが辛抱強く聞き入れてくれた。いろいろ刺激を受けながら、なんとか最後までやり遂げた作品」と紹介した。
 「大森の家」(同)は、「環境共棲」をキーワードにした切妻屋根の2世帯住宅。県産スギや笏谷石など地元の材を積極的に用い、職人の手仕事でレトロモダンに仕上げたのが特徴。現在と将来の暮らしをイメージしながら、心地よさや便利さの仕掛けを随所に設け、代々住み継ぐ家とした。山氏は「住む人と作り手が同じ目的に向かって良い住宅をつくることが大切」と説明した。
 審査委員長の水野氏は講評で、「個性的かつ優れた作品ばかりで、甲乙つけ難かった」と感想を述べた。表彰式では施主、施工業者にも賞状が贈られた。
 また、審査会に先立って水野氏が「地域と建築」と題して講演。学生や一般も大勢聴講した。
 ふくい建築賞は本県の建築文化の発展と人材育成を目的に昨年度創設。主催は県建築士会、県建築士事務所協会、日本建築家協会北陸支部福井地域会(JIA福井地域会)の県内建築3団体。県建設技術公社が共催。

hokuriku