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日刊建設タイムズ社
2015/12/11

【千葉】拠点施設の機能等調査/成田市卸売市場輸出拠点化/20年度開業目標に再整備

 卸売市場の再整備を計画する成田市は、卸売市場の輸出拠点化を目指し、卸売市場内に「成田市公設地方卸売市場輸出拠点施設」を整備するため輸出拠点機能等調査を実施する。施設の整備は市場の再整備の中で実施。再整備では13年度にあり方についての答申を受けているが、輸出拠点化に伴い、成田市公設地方卸売市場運営審議会に市長が再諮問する予定。市場の再整備は東京五輪を見据え、2020年度の開業を目指す。
  調査については、9日付で「輸出拠点機能等調査委託」の一般競争入札を公告し、来月8日に開札となる。予定価格は1018万円(消費税抜き)、最低制限価格が695万3000円(同)。委託工期は16年3月31日。
  拠点施設は、空港内で行っている通関業務・検疫業務、爆発物検査業務や、農林水産物の搬入及び一時保管、コンテナ・運搬車両への積み込みなどを行うことのできる施設を卸売市場内に整備する。委託業務では、拠点施設に必要な機能・規模・構造等を検討する。
  構造の検討では、輸出拠点施設の必要規模を精査し、施設全体の形状と機械等を含む構造を検討するとともに、建設に係る手続きの期間、概算建設費を算定。また、法規制条件等、施設整備を検討する上で踏まえるべき基本条件を整理するとともに、短期、長期的な収支シミュレーションを含む経営計画とそのために求められる機能を検討する。
  輸出拠点化は、農林水産物の輸出拡大を図る国家戦略特区として「成田卸売市場を活用した輸出拠点整備(検疫・通関の一元化)」での実施を目指している。本年11月にはロンドンに輸出する農産物を対象に、空港内で行っている産地証明、通関、爆発物検査などの輸出手続きを市場内で実施する実証実験を行い、輸出拠点化に向けた課題を抽出した。
  一方、市場の再整備については、市長からの諮問を受けて成田市公設地方卸売市場運営審議会が2013年度に「成田市場の今後のあり方」について答申しているが、市場の輸出拠点化に伴い、市長が再諮問する予定で、同審議会を中心に検討を行う。
  前回の答申では、整備手法として青果棟と水産棟を管理棟・青果棟の位置に集約し、運営手法として指定管理者の導入や公設公営を検討するよう求めた。この答申を受けて、昨年度で「卸売市場再整備に係る施設規模等検討及び基本方針策定支援業務」をパシフィックコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区新田町1―7)に委託し、審議会から答申のあった現地での再整備についての有効性の調査を実施した。
  このほか、輸出拠点化に向けては、成田市場輸出拠点化推進協議会が本年度、調査業務をデロイトトーマツコンサルティング(東京都千代田区丸の内2―4―1)に委託し、農産物の拡大に向けたあり方など計画の策定を進めている。
  同協議会は、成田市輸出拠点推進研究会を組織替えして立ち上げたもの。同研究会は昨年度で、国家戦略特区として「成田卸売市場を活用した輸出拠点」を目指す「成田市場の輸出拠点化プロジェクト」を提案。
  同プロジェクトでは、東日本における農業生産の振興に寄与することや、日本の農林水産物の価格競争力の強化、1年を通じて安定した品質で安定量を輸出できる体制の構築を図ることで、農林水産物の輸出拡大に貢献することを目指す。これにより、@遠隔地の国々への輸出実績が少ないA物流コストが高く手続きに時間を要するB単品・産地単位の輸出が多く、安定供給できない――などの課題を克服することとした。k_times_comをフォローしましょう
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