トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

西日本建設新聞社
2015/12/15

【熊本】「現水準維持は困難」 熊本市が公共施設の基本的考え方示す

 熊本市は、公共施設等総合管理計画を策定するにあたっての資料となる「公共施設マネジメントに向けた基本的な考え方」をとりまとめた。公共建築物については、今の水準・規模で維持し続けることは費用的に困難とし、保有量を削減しながらできるだけ長く使える工夫が必要としている。
 今年4月時点での市施設は1527施設(4316棟)あり、総延床面積は243万平方b。このうち市営住宅(88万平方b)と学校教育施設(85万平方b)の二つで全体の72%を占る。建築年では、築後30年以上の施設が全体の半分近くあり、旧耐震基準の昭和56年5月以前に建てられたものは90万平方bで全体の37%になる。
 主な施設の経過年数は、市役所花畑別館79年、水前寺競技場64年、市民会館48年、競輪場メインスタンド43年、市役所本庁舎34年、西部環境工場30年、総合体育館29年、東部環境工場21年、アクアドーム17年。
 現有施設の規模を維持したまますべて保有し、建替更新周期を60年、大規模修繕周期を30年と仮定した場合、今後40年間で1兆240億円の更新費用が必要と試算し、市の財政が破綻すると警告している。一方、現有施設の延床面積を20%削減し、建替周期を70年、大規模修繕周期を35年に延長すると、更新費用は大幅に減少し、財政の持続可能性が大きく向上するとしている。
 保有する土地についても、公共施設の廃止や集約によって生じる跡地や市が保有する未利用地について、売却することが基本とした。公共建築物の建て替えでは、可能な限り高度利用を図ることで施設の集約を進め、土地の有効活用と保有量の適正化を進める方針。
 公共施設等総合管理計画の策定にあたっては、@資産総量の適正化A施設の長寿命化の推進B施設運営に要する総コストの削減―を柱に、公共建築物総延床面積の削減目標などを設定する考え。平成28年度中にまとめる。

提供:西日本建設新聞社