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日刊建設タイムズ社
2015/12/18

【千葉】「永年勤続功労」48人を表彰/県優良建設工事受賞主任技術者79人も/千葉県建設業協会

 (一社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)は17日、千葉市内のオークラ千葉ホテルにおいて「2015年度永年勤続者(役員・従業員)功労表彰式」「2015年度千葉県優良建設工事受賞社・主任技術者功労表彰式」「2015年度建設雇用改善優良事業所表彰式」「2015年度建設業退職金共済制度本部理事長表彰伝達式」を開き、功労者及び優良事業所等に対して賞状の授与と記念品の贈呈を行った。協会表彰規定により、永年勤続者は会員企業で役員が15年以上、従業員は20年以上勤務し、成績優秀と判断された者を表彰。同じく主任技術者については、県の優良建設工事物件を手掛けた主任技術者を対象に、公共工事の品質確保と現場施工技術の向上の観点からの励みとして、95年度から表彰を実施。この日の受賞者は、永年勤続功労が48人(役員6人、従業員42人)、主任技術者功労が79人。
  雇用改善優良事業所は9社/建退共理事長表彰は市原組
 「建設雇用改善優良事業所表彰式」は、建設雇用改善推進大会の開催時に行っていたが、11年度からその大会が「廃止」となったため、感謝状受賞社を対象に表彰の機会として設けて今回が5回目。同大会は、県内における建設労働者の雇用改善において、建設事業主をはじめ関係者の理解と関心を深め、雇用改善の意欲の高揚を図ることを目的に77年に開始。毎年11月を「建設雇用改善推進月間」と定め、その中心的行事として開催してきた。
 一方の「建退共制度本部理事長表彰伝達式」は、建設業退職金共済制度の重要性を深く認識し、普及活動や加入促進、適正な履行の確保などに尽力した事業所に対して表彰するもの。本年度は且s原組がその栄を担い、建退共本部から表彰状が届いたことで、千葉県支部長でもある鈴木会長から伝達した。
 長年の努力と労苦/深く敬意とお祝い
 主催者を代表してあいさつした鈴木会長は、まず、永年勤続功労者について「会員企業の役員または従業員として、多年にわたり会社の経営並びに技術の向上に地道に取り組まれ、地元支部長から推薦を頂いた方々である」と紹介。「みなさんは建設業の仕事を通じて、地域社会の発展に多大な貢献をされている方々」との認識を示したうえで「長年にわたる努力と労苦に対し、深く敬意を表するとともに、心からお祝いを申し上げたい」と弁。また「企業の発展には優秀な人材の確保と育成が不可欠」とした氏は、両功労者に対し「長い時間を費やして培われた豊富な経験と知識を活かし、今後とも後輩の指導並びに業界の地位向上のため、一層の尽力を賜りたい」と要請。
 一方、14年度に県が発注した公共工事の品質確保と施工技術向上の観点から、会員企業に在籍する技術者の模範となる工事を施工し、先に県知事表彰を受けた県優良工事主任技術者に対しては「優良工事の知事表彰は、勤務されている会社のみならず、私ども協会会員、県内企業の技術力に対する評価を高めるものであり、心からお祝いを申し上げたい」と述べた。
 建設業の役割と使命の正当評価
 本年は関東・東北豪雨による鬼怒川の決壊をはじめ、身近な地域でも激甚災害が発生。自然の猛威に対する備えが未だに不十分な国土の現況を突き付けられたことについては「各地域でいざという時に頼りになる公共事業整備と、それを担う建設業の役割や使命が正当に評価されるように取り組んでいかねばならない」と指摘。協会として「会員企業の経営と技術力の向上への取り組みをバックアップし、建設業の一層の活性化に向けて対応していきたい」との方針を示し、あいさつを結んだ。
 同じ方向と同じベクトルで
 表彰状授与に引き続き、来賓を代表してあいさつした永田健・県県土整備部長は「本日は敢えてこの席で、我々を取り巻く環境についてみなさんと考えてみたい」と弁。「今から約5年前に東日本大震災が発生した。こちらでも雪が降りそうな非常に寒い日だった。東北地方では東北地方整備局と地元の建設業者が連携し、いわゆる『くしの歯作戦』を展開した」と振り返った氏は、今年の春先にNHKのドキュメンタリー番組で、その作戦の内容について触れていたことに言及。「あのNHKが『消防や警察、自衛隊のみなさんが頑張ってこのルートを開きました』と。その中に建設業の『け』の字もないというこの瞬間に、私は大きなショックを受けた」とした氏は「それ以来、私は方々で『知られていないということは、存在しないと同じである』と言っている」と強調。
 「我々の行っている仕事はとても大事であり、地域に貢献していることだが、自分たちが行っていることを世の中に知ってもらうという意識を持って取り組んでいく必要があると思う」と述べた氏は「一時に比べると多少は良くなった印象はあるが」と前置きしたうえで「我が国においては、依然として『公共事業』や『建設業』という言葉になると、何故かネガティブなキャンペーンを張られてしまうところがある。我々が黙っていては理解されない」と指摘。「本日表彰されたみなさんは、長くこの世界で活躍され、それぞれの功績を挙げられた方々である。是非ともそれらを(声を大にして)発信して頂きたいと思う」と呼びかけた。
 一方で「海外の事情はどうなのか」と述べた氏は、自身の特別仕様の名刺を取り出し、アメリカのオバマ大統領、イギリスのキャメロン首相、ドイツのメンケル首相などの世界的リーダーたちが言及した社会基盤について紹介。さらに日本においては、天皇陛下の教育係をされた元・慶応義塾の7代目塾長である小泉信三氏が「我々はこの日本の国土を祖先から受けて子孫に伝える。森鴎外が『生まれたままの顔を持って死ぬのは恥だ』と言ったのと同じように、我々もこの国土を、受け取ったままのものとして子孫に残すことは恥じなければならない。より良いものとして子孫に渡していくべきだと言っている。まさに我々の仕事は次の世代により良いものを残すことである。改めて各方面に発信されることに努めて頂きたい」と改めて要請した。
 さらに「これだけ多くの仲間が表彰を受けられたことは非常に嬉しく思う」と、永年勤続功労及び主任技術者功労、建設雇用改善優良事業所らを称賛。「今後も引き続き切磋琢磨され、千葉県のより良いインフラを次世代に引き継いでいくために貢献して頂きたい」と要請し、祝辞に代えた。k_times_comをフォローしましょう
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