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日刊建設タイムズ社
2016/01/12

【千葉】「フルジャンクション化」実現を/永田部長の信念、知事が要望/協会三役が県土整備部に新年あいさつ

 (一社)千葉県建設業協会の鈴木雅博会長をはじめ、副会長の阿部典義氏、式田秀穂氏、橋順一氏、畔蒜毅氏、石井良典氏、小宮山房信氏ら三役一行は8日、新年あいさつ回りとして県庁の県土整備部を訪問。県からは伊藤稔・都市整備局長、滝浪善裕・災害・建設業担当部長をはじめ、次長の吉田行伸氏、行方寛氏、百瀬登展氏らが応対。昨年の大晦日に、56歳の若さでこの世を去った永田健・県土整備部長の在りし日を偲ぶ話題にも及んだ。
 冒頭、滝浪・担当部長から協会三役らに対して、5日と6日に営まれた永田部長の通夜・葬儀への参列に対するお礼が述べられた。「あまりにも儚すぎて、我々も戸惑うばかりだった」との心境を吐露した一方で「ご家族の方々も『(永田部長が)大好きな千葉で仕事が出来たことを大変喜んでいたことから、是非とも千葉で葬儀をさせてあげたかった』との意向があった」というエピソードを披露。また、石井啓一・国土交通大臣が81年、永田部長が82年にそれぞれ建設省(当時)に入省したよしみなどから、通夜の席に石井大臣が駆け付けたことも明かされた。
  ◇債務負担や繰越で全国的に平準化へ
 「12月補正予算も期待したほどではなかったが、県においては今後も切れ目のない平準化発注に努めて頂きたい」との協会側からのお願いに対して滝浪担当部長は、「債務負担や繰り越し等をうまく使って、なるべく4月以降も仕事が出来るように、今後はさらにきめ細かく考えていかねばと思っている」と述べるとともに「全国的にもその方向に進むように国から話も来ている。補正予算がなくても平準化に向けては、今後の課題として出来ることから取り組んでいきたい」との方針を示した。
 ◇期限内工期厳守で官民双方の士気を
 一方で「幕張あたりの大規模な整備も想定される」と、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて言及した伊藤局長は「幕張メッセについても従前から、通常の改修工事で150億円と試算されるが、どの程度前倒しで行うのか、あるいはオリンピックの仕様に合わせたものがどの程度出てくるのか、さらに同じく外房でのサーフィンとなると、道路整備の問題も出てくる」と提起。総じて「期限内にどうしても終わらせなければならない仕事となる」と官民双方の士気を鼓舞。
 さらに「永田部長も力を入れていた北千葉道路整備は『是非とも直轄で』と我々も要望を進めている。圏央道についても、供用開始の見込みが立っていないのは『横芝−大栄』のみとなってしまった」と述べた伊藤局長は「それらにも全力を挙げて取り組まねばならない」との決意を示した。
 ◇永田部長の想いを業界が引き継いで
 「県としてはどうしても必要だ」という永田部長の強い意向で、昨年暮れに国に対して森田知事が京葉道路の高谷の外環道へのフルジャンクション化を要望。この件について伊藤局長は、国の好感触を得た帰りの車の中から、森田知事が永田部長に対して『よかったな』と電話で声をかけたのが最後の会話になったと、知事が弔辞で述べていたとのエピソードも披露。「私も付焼刃で勉強させて頂いたが、やはりこれは道路の専門家でないと中々わからない。趣味のサイクリングで県内をくまなく走り、直に見ていた永田部長は、予算の話でも道路の細かいところまでよく知っていた」と、尊敬の念を込め、在りし日の永田部長を偲んだ。「それらも踏まえて、私どもはそのことをしっかりと受け継いでいかねばと決意を新たにしている。今まであまり話題にのぼっていなかったが、業界の方々にも是非ご賛同され、一緒に要望して頂きたいと思う」と協力を求めた。
                ◇
 県土整備部長応接室のボードには、永田部長によるこれまでの情報カード(名刺の裏)リストの一覧が貼付されている。それによると、本紙でも紹介した「千葉県版『くしの歯作戦』策定」は16作目、「世界的リーダーの言葉」は17作目にあたり、既に配付が終了した情報カードも多いことを知った。
 2年前の就任インタビューの際に永田部長は、建設業で働く人々に対して「自分たちの仕事に誇りを持って、その気になって、自分たちはやれるという気持ちを持って取り組んでもらいたい。苦しい局面は必ずあるし、ままにならないことも沢山あるが『やらなければいけない』『乗り越えなければいけない』ものであれば、前を向いて楽しむという意識で取り組むことで、良い結果が出るのでは――」とメッセージを送った。
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