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建設新聞社
2016/01/13

【東北・福島】16年度に設計委託へ 保健医療従事者養成施設の基本構想を策定

 福島県は、新設を計画している「保健医療従事者養成施設」に係る基本構想を策定した。福島市栄町を建設候補地とし、施設規模はRC造地下1階地上8階建て、延べ1万8000平方bを想定。2016年度から設計に着手し、21年4月の開設を目指す。整備費は約120億円(機器・備品含む)を見込む。
 県内では、東日本大震災および原発事故という複合災害により、相双医療圏を中心に医療従事者の県外流出が相次ぎ、医療提供機能の低下が懸念されている。特に避難を余儀なくされた高齢者については、環境の変化に伴うストレス等による健康指標の悪化が、介護保険認定率の上昇という形で表れている。
 これらの課題に対応するため立案した同施設は、完成すれば県内初となる県立の医療スタッフ養成所となる。設置に向けて県は、14年度から有識者会議を開催し、養成職種や定員、施設規模等の検討を進めたほか、15年度は検討内容を基にした基本構想を、公募型プロポーザル方式で選定した日本総合研究所(東京都品川区)で策定した。
 構想によると、設置形態は大学とし、運営を福島県立医科大学に要請する。養成職種および1学年あたりの定員は、理学療法士40人、作業療法士40人、診療放射線技師25人、臨床検査技師40人で、4学年合計で580人とする。
 建設候補地は、福島市栄町10地内の私有地3173平方b。ここは、複合型商業施設「アクティ21」や時間貸駐車場がある場所。施設の誘致を目指す福島市は15年12月、県に対し「市が用地取得したうえで、県への無償貸与を検討する」と申し出ている。
 想定延べ面積1万8000平方bの内訳は、講義室・演習室2300平方b、実習・実験室3940平方b、研究室1690平方b、管理関係7980平方b、多目的ホール400平方b、図書室650平方b、食堂855平方bのほか高層化共用部、駐輪場など。
 最短で進めた場合の整備スケジュールは、15年度内に基本計画策定業務を委託するとともに、16年度内に基本・実施設計を委託し、18年1月までに完了。工事は18年2月から20年5月までとし、開設準備を経て21年3月の開校を目指す内容となっている。

 提供:建設新聞社