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建設経済新聞社
2016/01/14

【京都】新庁舎整備は29年度から工事 28年度設計完了、発注手続き

 京都市は、新庁舎整備事業について、28年度前半のできるだけ早期に実施設計を完了させ、その後、発注手続きを行う。29年度から本庁舎改修、西庁舎新築(建替)、分庁舎新築に着手する。西庁舎は30年度の早期に完成、分庁舎も30年度末から31年度早期に完成させ、引越し作業を行う。本庁舎は32年度に完成させる。北庁舎は31年度から新築(建替)に着手、34年度に完成させる予定。
 基本計画時の計画によると、工事は市内業者の参入機会を増やすため、建築、機械設備及び電気設備をそれぞれ分離発注。ただし本庁舎及び西庁舎の工事は西庁舎を本庁舎のエネルギー棟として建設し、設備接続などの点で同時施工する必要から、各工種を一括発注する。本庁舎及び西庁舎・建築、同・機械、同・電気、北庁舎・建築、同・機械、同・電気、分庁舎・建築、同・機械、同・電気の計9単位の発注になる模様。
 29年度からの工事を見据え、分庁舎建設予定地の押小路公用駐車場その他解体撤去工事を道原建設(京都市伏見区)で27年度に実施。現在は埋蔵文化財調査を進めている。また寺町会議室その他解体撤去工事は27年12月の入札でイワジツ建設(京都市伏見区)が落札、今後解体工事を進める。
 西庁舎その他解体撤去工事は27年12月の入札で上村−大坪特定建設工事JV(京都市下京区)が落札、28年2月から7月にかけて解体工事を行う。
 本庁舎は基礎部分に免震部材を設置する基礎免震工法を採用、西庁舎と北庁舎は地下階の柱頭に免震装置を設置する柱頭免震工法を採用し、本庁舎、西庁舎、北庁舎の3棟が一体となる免震構造とする。分庁舎も柱頭免震工法を採用する。
 本庁舎の規模はRC造地下2階地上4階建、延1万6678u(建築面積約3400u)。建替える庁舎の規模は西庁舎がS造一部SRC造・RC造地下1階地上4階建、延約3100u(建築面積約650u/高さ20m)、北庁舎がS造一部SRC造・RC造地下2階地上7階建、延約1万7100u(建築面積約2450u[オーバーハング部除く、上空通路含む]/高さ31m)。新築する分庁舎はS造一部SRC造・RC造地下2階地上4階建、延約2万4100u(建築面積約3900u/高さ18m(軒高15m))。
 建替えのため解体する現・西庁舎はRC造一部S造4階建、延1915・49u、現・北庁舎はRC造+SRC造地下2階地上5階建一部8階建、延1万2695u(建築面積1754u)。
 新庁舎整備では段差などバリアの解消だけでなく、身体的特徴、障害の有無、年齢や国籍などに関わりなく誰もが利用しやすい庁舎とする計画。
 本庁舎の1階床レベルは周辺道路面より約2m高いため、建替えや新築する庁舎は本庁舎の床レベルに合わせ、来庁者等が移動しやすいようにする。
 西庁舎と北庁舎は本庁舎と段差のない渡り廊下で一体的に整備し、本庁舎・西庁舎・北庁舎をフラットにつなぐ回遊動線を実現するとともに、外部からの接続経路には段差解消エレベーター又は段差解消機を設置する。
 押小路通を挟んだ北側に新築する分庁舎は外部から段差のない経路を確保するとともに、押小路通をまたいで北庁舎3階と分庁舎4階をつなげる上空通路(両側面はガラス張り)を設置する。
 本庁舎の地下2階からゼスト御池地下街に続く緩やかなスロープの地下通路を設置する。
 案内サインははっきりと色の違いを認識できる配色を採用。多くの来庁者が見込まれる出入口には総合案内板を設置する。本庁舎側(本庁舎、西庁舎、北庁舎)、分庁舎の各階に1ヵ所以上の車いす使用者用便房(個室)を設置する。エレベーターは障害者や高齢者が利用しやすい仕様(大きさ、音声案内、点字表示、手すり等)とする。本庁舎の議会傍聴ロビーや分庁舎1階に授乳室を設ける。
 意匠面では新築部分は透明感のあるガラスの外観デザインを採用、歴史的価値の高い本庁舎の存在を引き立てる。
 基本計画時に示した工事関連費は247億円。内訳は、本庁舎が60億円、西庁舎が15億円、北庁舎が80億円、分庁舎が92億円。その他費用(用地費9億円、連絡通路整備費9億円、埋蔵文化財調査費4億円、民間ビル賃借料及び移転費8億円)30億円を合わせ、総事業費は277億円を見込む。基本計画は久米設計大阪支社(大阪市西区)が担当。
 新庁舎整備の基本設計・実施設計は日建設計大阪オフィス(大阪市中央区)。