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建設経済新聞社
2016/01/25

【京都】下水熱利用の事業化検討 木津川上流で可能性調査

 エネルギーの地産地消による地域活性化を目指す京都府は、木津川上流流域下水道を対象に、下水熱など下水道資源の利用可能性調査を進めている。
 環境省の27年度エコタウン等における資源循環社会と共生した低炭素地域づくり補助金事業に採択され、府環境部は27年9月補正予算に下水道資源利用促進構築事業費として1000万円を確保した。
 調査目的は木津川上流流域下水道の木津川上流浄化センター(精華町下狛)・下水道幹線管渠の下水熱と下水汚泥の有効利用。NTTデータ経営研究所が調査をとりまとめ、関西電力が技術協力。
 調査内容は5点。下水熱利用ポテンシャル(潜在能力)調査として、利用可能な下水熱量を把握するため、下水流量を調査し、月別の平均水量と最低水量を整理。安定して利用できる下水熱供給可能量を推計する。
 下水熱利用の実現可能性調査として、浄化センター内(管理棟、第1ポンプ棟、水処理棟等)の冷暖房と、下水道幹線管渠周辺の既存熱需要施設の最大熱負荷及び年間総負荷を整理。利用可能性を評価する。熱需要施設の立地条件等に応じて導入する下水熱利用方式、利用技術を設定。採熱設備の規模の概算や概算建設費と維持管理費の算定を行う。下水熱システムと従来システムの建設費と維持管理費を比較し事業性の概略試算を行う。
 下水道資源有効利用の事業化検討として、熱需要施設(病院、老人保健施設等)の検討、実施事業者の検討(下水道幹線管渠周辺の病院・老人保健施設の事業主体をヒアリング)、簡易事業計画書(病院、老人保健施設等)の策定を行う。
 下水熱利用の実現可能性調査と下水道資源有効利用の事業化検討の調査結果を踏まえ、事業実施におけるCO2排出削減量、資源循環型地域社会の形成効果等を簡易推計する。
 未処理下水と処理下水を活用した場合の低炭素化効果の算定も行う。
 下水幹線管渠周辺地域における下水熱利用の実現と下水熱利用に係る簡易事業計画書の作成を目標に設定。今回の事業をモデル化し、他の流域下水道に普及・展開を目指す。
 府下の市町下水道担当者らも昨年9月に下水熱利用勉強会を開くなどしている。