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北海道建設新聞社
2016/01/26

【群馬】産学官連携会議、今後3年間の継続決まる

建設産業の担い手不足対策について話し合う産学官連携会議の第3回会合が開かれた。会議は2013〜15年度を設置期間としていたが、3年間で浮き彫りになった課題や会議メンバーから寄せられた要望を実現するため、今後3年間の継続を決めた。また、会議が主導して行われた資格取得支援の取り組み結果も示された。全国平均を上回る合格率が出るなど、一定の成果も表れている。
産学官連携会議は、群馬県建設業協会や群馬県測量設計業協会といった産業界、群馬大学、前橋工科大学、県内実業高校などの学校、県県土整備部、群馬県建設技術センターなどの官庁で構成。@効果的なインターンシップの実施A生徒、保護者への広報B各世代ごとの資格取得講座開設C若手・女性技術者が活躍できる仕組みづくりD建設業の将来展望を示す−の5つの取り組み方針を掲げている。13年度に立ち上げ、これまでさまざまな施策を講じてきた。
インターンシップは高1〜3年次、大学3年次に実施し、重機デモなどが学生に好評だ。一方で、企業側の受け入れ体制確保や実施時期などが課題になっていることが示された。建設業協会、測量設計業協会、県による合同説明会に、生徒の進路選択に影響のある保護者の参加が少ないことも報告された。
会議の中で行われた意見交換ではさまざまな要望が出された。インターンシップをめぐって業界側からは「とりあえず入れるから土木科に行くという生徒も多い。中学からインターンシップを始めないと間に合わない」など、業界への入口対策強化を求める意見が出された。学校側からは「定員割れを起こしたこともあったが、今は建築科、土木科ともに入試倍率が高い。今の盛り上がりを継続してほしい」との要望もあった。全体的に会議の継続を求める声が挙がり、今後3年の継続が決まった。課題や寄せられた意見を実現し、建設産業への入職者数を増やす効果的な仕組みを固めていく。
1・2級土木施工管理技術検定の対策講座受講者の合格率は全国平均を大きく上回るなど、資格取得面では大きな成果が挙がった。例えば、社会人向けの1級講座受講者の本年度学科試験合格率は61・5%(全国平均54・6%)。実地試験合格率は50・0%(同37・3%)となっている。昨年度の学科試験合格率も71・4%(同58・5%)、実地試験合格率は40・5%(同39・5%)だった。
高校生向けの2級でもこの傾向は変わらない。14年度から県内建設系高校6校(前橋工業、高崎工業、桐生工業、勢多農林、利根実業、中之条)で学科試験対策授業を実施している。本年度の学科試験合格発表は2月4日だが、昨年度は85人が合格を勝ち取った。合格率は55・2%。全国の高校生の平均合格率は41・0%、大人を含めた全国平均合格率も53・4%にとどまっており、これらを上回る成果を残した。2級学科試験合格者が増えることで大勢の「即戦力」に近い人材の業界入りが期待される。