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北海道建設新聞社
2016/01/27

【北海道】駒岡清掃工場の建築面積はボイラ大型化などで1.2万uに−札幌市が基本構想 

 札幌市環境局は、必要建築面積を約1万2500平方bとするなどの駒岡清掃工場更新基本構想案をまとめた。併設施設で同じく更新を控えている破砕工場については、資源化機能を加えた複合化も検討する。26日に開かれた同構想検討委員会(委員長・大沼進北大大学院准教授)の初会合で、事務局を務める環境局が示したもの。建築面積は事例などから算出した。残る2回の会合を経て、2016年度前半にも構想を策定する。
 南区真駒内602にある同清掃工場は、築後30年を超えて経年劣化による老朽化が進行したことから、現施設南側の敷地8・4fに建て替える計画。新施設の処理能力は現在と同じ1日当たり600dとし、高効率なエネルギー回収システム導入などを予定している。
 整備スケジュールによれば、16年度は基本構想策定後、基本計画に着手。17年度はこれをまとめると同時に基本設計も進める。18年度に実施設計と工事発注手続きを経て、19年度から5カ年で整備し、24年度供用開始を目指す。
 基本構想案では、新清掃工場の処理能力を600dと明記。処理方式については基本計画の中で検討するとしているが、ガス化溶融施設は適さないと考えを示す。
 建築面積は、他の事例や近年の高効率発電によるボイラ大型化、排ガス処理施設の高度化といった状況を踏まえ、既存施設より約5000平方b広い約1万2500平方bが必要と想定。雨水流出抑制に関する指導要綱で必要と見込む雨水調整池には、概算で約8500立方bの規模を見込む。
 破砕、資源化機能などを有する併設施設は、両機能を一体化した複合施設を目指すとし、現破砕工場や他工場などの状況から建築面積を約7000平方bと試算。
 既存の破砕工場は1日の処理能力50dの回転式1基、75dのせん断式2基を保有しているが、新施設での処理能力は基本計画で検討する。
 資源化施設に関して、現在は瓶、缶、ペットボトルを駒岡、中沼の資源選別センター2カ所で処理し、雑紙と容器包装プラスチックは東区のリサイクル団地内にある各処理施設へ運搬している。しかしバックアップや運搬コストなどの観点から南区内での設置が望ましいと判断し、市全体の施設配置計画と整合を取りながら詳細を詰める。
 このほか施設運用に必要な上下水、電気などユーティリティー設備の供給方針について、電力は現在高圧電力だが、新たな設備容量などを考慮すると新工場では特別高圧設備となる見込み。北側約5`にある真駒内変電所などからの送電線整備や、敷地内に受電を担う屋外開閉所の設置が必要と考えている。
 東日本大震災の経験から産廃処理施設でも災害時対応機能強化が求められているため、基本計画で詳細を固める。また、循環型社会形成推進交付金対象の始動用電源、燃料保管設備などの災害対策設備も検討する。
 保養センター駒岡や真駒内地区約1700戸へ供給している余熱利用については、夏季に1時間当たり12ジュール、冬季に25・5ジュールと拡大する方針。これに伴う発電可能量は、夏季が最大約1万1250`h、冬季が3200`hと試算する。
 環境教育の方針では、現在も実施している施設見学の充実や、自然豊かな周辺環境を生かした地球環境や省エネルギー、資源有効活用などの学習場として提供することなどを掲げている。