トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

鹿児島建設新聞
2016/01/29

【鹿児島】担い手い育成PJの効果、建設業就業希望者が増加

  昨年9月に県内初の試みとして薩摩川内市のれいめい高校でスタートした産・学・官連携による「担い手育成プロジェクト」。業界と生徒の触れ合いが増えたことで、生徒たちの心境に変化が現れた。このほど、16年度の活動内容を協議するフォローアップ会議が行われ、授業を体験した生徒らのアンケート結果を報告。生徒との関わりが深い学校側の協力を得られたことで、生徒の建設業に対するイメージが上がり、将来、建設業への就職を希望する者が増えたことが明らかになった。 
 将来の土木就業者を育てようと、九州地方整備局川内川河川事務所と建設業青年部会川内・宮之城支部が同校工学科の生徒を対象に取り組むプロジェクトは、12月までに計4回開催。今年度から正式に授業カリキュラムとして組み込まれており、学年ごとに趣向を凝らしながら、インフラツアーや校内の現場実習等を行ってきた。 
 同日の会議には、産・官・学から21人が出席。来年度からは、県北薩地域振興局建設部も新たに加わることが決まり、島田公史河川港湾課長、木佐貫浄治技術補佐、眞邉武志技術主査も同席し、生徒らのアンケート内容をもとに次年度の活動内容について話し合った。 
 会議では、同事務所の秀徳典穂事業対策官がこれまでの活動状況を報告。宮之城支部の山本一道支部長が授業毎に行ったアンケート結果を踏まえ「建設業が力仕事だけといったイメージから、やりがいのある人の役に立つ仕事との意見が多かった」などと紹介した。 
 また、同校の平剛生教諭は「これまでと生徒の食い付きが違う。現場実習などを通し、働くことのイメージがリアルに実感できたのでは」と分析。さらに、期末考査におけるコンクリート調合設計の問題では、平均で20点以上成績が上がったことも付け加え、「建設業への興味が高まり、就職希望者が確実に増加した」と成果を述べた。 
 ただ、アンケートには県外への就職希望者も多く、建設業への興味は高まったものの、今後は地元に残すための取り組みが必要であることも浮き彫りとなった。 
  
■支部長コメント 
(外薗太一郎川内支部長) 
 行政や青年部も異動や年齢制限で人が変わることがあるため、活動を継続するには授業回数や内容の固定化が必要。また、地元に残ってもらうためには企業の魅力も問われる。会員個々の企業努力も呼び掛けたい。 
(山本一道宮之城支部長) 
 生徒と触れ合うことで、我々も元気を貰える。これからも行政や学校側と協力しながら、自分たちの身の丈に応じた活動を継続していく。建設業のことを正しく理解してもらいながら、業界の魅力を伝えたい。