トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2016/02/08

【石川】大屋根撤去でコスト縮減へ/(県競馬事業局)/金沢競馬場の耐震は新年度から

 石川県競馬事業局は、耐震基準を満たしていない金沢競馬場(金沢市八田町)のスタンド棟耐震改修工事に乗り出す方針を固めた。工事は大屋根を撤去することでコストの縮減を図る。16年度に設計に入り、競馬を通常通り開催しながら17年度から2カ年で工事を進める。
 スタンド棟は、1973(昭和48)年に建設されたRC造3階建て延べ1万4561平方メートルで、1万5000人収容。大屋根や高架水槽により上層階の重量が大きい特殊な構造で、県では耐震改修計画策定に先立ち、「現状のまま施設全体を耐震化する案」(概算工事費13・0億円)と「大屋根の先端部(約125トン)撤去や高架水槽(約25トン)の移設により軽量化した上で耐震化する案」(概算工事費10・9億円)を比較し、コスト縮減の観点から大屋根先端部撤去や高架水槽移設により軽量化した上で耐震化する案に決定した。ただし、大屋根先端を撤去することにより、雨除け、日除けがある座席が715人分減ることになる。
 スタンド棟は緊急避難場所に指定されている公共性が高い建物であることから、工事にあたっては防災対策事業債(充当率90%、交付税措置率50%)を活用する。これは交付税措置により県の実質負担額が5億2200万円程度で済む計算だ。
 耐震改修にかかる費用は、実施設計を行う16年度が3000万円、工事初年度の17年度が7億円、工事2年目の18年度が3億6000万円。競馬事業自体は耐震改修経費を組み入れても16年度が1億9500万円、17年度が7800万円、18年度が6600万円のそれぞれ黒字見込みという。
 このため耐震改修計画は、このほど開かれた金沢競馬経営評価委員会(委員長・丸山利輔石川県立大学参与)において、経営に悪影響を及ぼさないと判断され、了承された。

hokuriku