トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2016/02/09

【神奈川】神奈川県 「第3期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」 素案まとまる 土壌保全対策と生活排水処理施設を新たに

 神奈川県は、「第3期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」の素案をまとめた。「土壌保全対策の推進」「生活排水処理施設の整備促進」などを計画の柱に盛り込む。県民意見の反映などを経て、2016年8月ごろに計画を決定する予定だ。
 素案によると、計画期間は17年度から21年度までの5年間。これまでの取り組みでは、水源環境の保全・再生に直接的な効果が見込まれる取り組みや、水源環境保全・再生を進めるために必要な仕組みに関する取り組みを推進してきた。私有林の荒廃の進行などの課題に重点的・集中的に取り組み成果をあげている。
 しかし、これからは将来にわたって良好な水源環境を維持するための対策も必要と考え、水源河川流域全体で水源環境への負荷軽減を進めるための見直しを行う。
 「土壌保全対策の推進」は、昨今の土砂災害の激化、頻発化を踏まえ、新たに土木的工法も取り入れた崩壊地対策に取り組むことで、森林の土壌保全対策の強化を図る。事業項目として、@水源林の基盤整備70カ所A中高標高域の自然林土壌保全対策実施55fB高標高域の人工林の土壌保全対策実施60f−を盛り込む。第3期の5カ年で13億1000万円を投入する計画。
 10年の台風9号による災害で、県西地域では水源かん養機能の発揮に重要な役割を果たす森林の土壌が流出した。従来、森林の保全のみを目的とした土壌保全対策は実施されていない。
 「生活排水処理施設の整備促進」では、ダム集水域での公共下水道整備を促進する他、合併処理浄化槽整備の対象地域をダム下流域に広げる。これまではダム集水域での生活排水対策を推進してきたが、下流域における生活排水が水源水質に負荷を与えている現状がある。第3期の5カ年間で61億6900万円を投入する計画。このうち、34億8300万円が新規必要額。
 「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」は、豊かな水を育む森と清らかな水源の保全・再生のために、5カ年で充実・強化して取り組む特別の対策をまとめたもの。現行の第2期実行5か年計画(12〜16年度)が4年目となり、次期計画を検討する。
 提供:建通新聞社