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北陸工業新聞社
2016/02/18

【新潟】一般会計は0.6%増の1兆3088億円/県が新年度当初予算案を発表/普通建設1800億、県単は172億

 泉田裕彦新潟県知事は17日、定例記者会見を開き、一般会計に前年度比0・6%増(71億8000万円)の1兆3087億9000万円を盛り込む16年度当初予算案を発表した。泉田知事は「人口の自然減・社会減に対応するための地方創生の取組みを推進し、安心・安全で県民一人ひとりが将来に希望を抱き、未来を描くことのできる地域社会の実現に向け着実に取組みを進めていく」と意欲を示し、未来への投資を積極的に推進する考えを強調した。投資事業のポイントとしては「公共土木施設や農業水利施設等の防災減災対策、老朽化対策を積極的に推進し、生活に身近な道路、河川等小規模な対策も可能な限り実施する。地域経済の基盤となる中小建設業に配慮した上で地域のニーズにきめ細かに対応していく」と説明。また、建設企業の収益性確保・安定化に向けた取組みでは「労務単価の改善、施工時期の平準化につながる取組みを推進する」と力を込めた。
 3期目最後の当初予算編成に臨んだ、泉田知事は「1つの区切り。政策プランに基づき、県民に約束したことをなるべく実現しようと編成した。各団体等の要望には最大限配慮したつもりだ」と語った。歳出では重要課題と位置付ける人口減少対策等を積極的に展開するとともに、引き続き高齢化社会に対応すべく社会保障の充実に努める考えを示した。
 投資的経費(人件費を含む)には、前年度比1・1%減の総額1902億9800万円を計上した。普通建設事業をみると、1799億5900万円。このうち、道路橋りょうに400億9300万円を計上したほか、河川・海岸・ダム・砂防が342億4400万円、農業基盤が326億1300万円、港湾・空港が109億4000万円、治山・林道・造林に101億6000万円、教育が66億3000万円、街路・都市公園・住宅に75億3500万円、漁業等農林水産施設に78億2800万円など。事業費の内訳は補助が913億円(前年度比0・1%増)、うち県単が173億円(同0・5%増)となった。一方、特別会計では流域下水道事業に前年度比0・9%増の134億1393万4000円(公共56億526万9000円、県単4405万6000円)、港湾整備事業は同7・1%増の24億8757万5000円(整備費6億1000万円、管理費3億474万3000円)などを盛った。また、災害関連事業(前年度比38・6%減、70億7700万円)をみると、水害等再度災害防止対策として、床上浸水対策に37億4600万円(同2・1%増)、河川災害復旧助成には5000万円(同99・2%減)を充てる。
 単独事業は474億5900万円(同14・2%増)で、このうち県単公共は172億7700万円(同5・0%増)。公共土木施設の維持補修系に83億9100万円(同4・5%増、15年度補正12億円)、建設系に50億9500万円(同10・0%増、同13億円)を計上し、当初予算と15年度補正予算を一体で切れ目のない対応に努めていく。また、地域産業の振興に触れ「畳、瓦、しっくいの技術はなくならない。しっかり支えていく取組みをする」と強調するとともに、福祉・医療の充実や防災減災対策の推進など安全・安心の確保に努めるとした。併せて、選択と集中による効率化を進めるとし、市町村への事務および権限の移譲、職員の適正配置を推進していく。
 そのほか、総事業費が概ね10億円以上の主な大規模施設としては、新潟商業高校に4億2300万円(13|19年度)を計上するとともに、新潟東区警察署(仮称)に14億8800万円(14|16年度)、佐渡警察署(仮称)に1億2200万円(16|18年度)、十日町病院に4億1000万円(13|19年度)、加茂病院に8億200万円(14|18年度)などを盛った(カッコ内は実施設計から竣工予定の期間)。
 主要事業は次の通り((新)は新規)。
【経済・雇用対策に努めるとともに、明日の新潟の飛躍につながる取組み】
▽(新)家庭用地中熱設備導入支援事業 1500万円
▽水力発電所の大規模改修 9億4400万円
▽(新)県産材サプライチェーンプロジェクト事業 5億1600万円
▽(新)洋上風力発電導入可能性調査事業 2500万円
▽雪冷熱活用データセンター立地事業 1000万円
▽海洋エネルギー導入実証事業 400万円
▽メタンハイドレート資源開発促進事業 500万円
▽再生可能エネルギー電力安定化の研究 1600万円
▽産業高付加価値化設備投資緊急促進事業 19億円
▽フロンティア企業支援資金(設備投資促進枠) 新規融資枠150億円
▽ふるさと越後の家づくり事業 2億3000万円
▽セーフティネット資金(経営支援枠) 新規融資枠1040億円
▽セーフティネット資金(連鎖倒産防止枠) 新規融資枠20億円
▽商店街活性化支援資金 新規融資枠15億円
▽建設業活性化支援事業 2600万円
▽Made in 新潟 新技術普及・活用制度の推進 2100万円
▽(新)建設産業のマンパワー総合支援事業 2300万円
▽建設業の経営基盤強化や収益性確保に向けた取組み ゼロ予算
▽ふるさと古民家再生事業 1000万円
▽商店街のにぎわい創出の取組支援 1800万円
▽病院内保育所施設整備費補助金 900万円
▽(新)経営体発展総合支援事業 3億円
▽地域資源活用型未来園芸調査事業 4900万円
▽農業総合研究所研究開発の促進 6億8400万円
▽植物工場の取組拡大に向けた調査、研究 500万円
▽水産物流通拠点化事業 2億8400万円
▽震災対策農業水利施設点検・調査計画事業 1億7700万円
▽基幹水利施設ストックマネジメント事業 8億3200万円
▽(新)新潟空港中長期アクセスの検討 200万円
▽新幹線活用地域活性化事業 400万円
【教育環境の整備など選ばれる新潟県づくりを進め、人口の自然減・社会減に対応】
▽新潟県人口問題対策会議の開催 400万円
▽認定こども園整備事業補助金 22億9300万円
▽病児・病後児保育施設の設置・運営支援 3200万円
▽私立幼稚園等緊急環境整備事業 2500万円
▽(新)移住者受入体制支援モデル事業 5400万円
▽(新)えちごトキめき鉄道新駅の整備 1800万円
▽観光関連施設情報環境整備促進事業 1500万円
▽東京設計事務所オリンピック・パラリンピック事前キャンプ誘致等促進費 500万円
▽県立武道館(仮称)設計調査費 6500万円
▽(新)トップアスリート国内活動拠点整備事業 1億円
▽(新)県立少年自然の家建設費 1億100万円
【誰もが健康でいきいきと暮らせる福祉・医療サービスの充実に努める】
▽ドクターヘリ基地病院等施設・設備整備事業 2億7100万円
▽(新)県央基幹病院整備推進費 300万円
▽燕労災病院の移譲に向けた取組み 300万円
▽加茂病院改築事業 8億300万円
▽十日町病院改築事業 4億1000万円
▽高齢者・障害者向け安心住まいる整備補助事業 3300万円
▽高齢者福祉施設整備事業 9億1400万円
▽障害者支援施設等整備事業補助金 6億5700万円
【安全・安心で魅力ある新潟県づくりにまい進】
▽地域コミュニティ復興支援事業 9200万円
▽生態系等放射性物質調査・検討費 100万円
▽危機管理センター改修・増強費 9800万円
▽防災行政無線体制整備費 68億6300万円
▽大規模災害対応緊急点検事業 500万円
▽原子力災害対応資機材整備等の取組み 24億7400万円
▽(新)災害時広域医療搬送拠点整備事業 700万円
▽耐震すまいづくり支援事業 5200万円
▽耐震建物づくり支援事業 5900万円
▽県有施設の耐震診断・改修の促進 41億500万円
▽土砂災害緊急事業費 3億4500万円
▽社会資本維持管理計画推進費 5000万円
▽東区警察署(仮称)建築費 14億8900万円
▽佐渡警察署(仮称)等建築費 1億2200万円
▽(新)エコパークいずもざき第3期処分場整備補助事業 5億500万円
【「効率的な政府」の実現のため「選択と集中」を一層進める】
〈「選択と集中」による効率化の推進〉
▽内部管理経費等の縮減
・再リースの積極的活用等
・更新機器や契約内容の見直し
・庁舎・各種施設の維持管理契約等の見直し
▽県出資法人の見直し
・県派遣職員の引き揚げ(新潟県農林公社)
▽民間資金・ノウハウを活用した公共サービスの提供
・新潟学園のPFIによる改築・維持管理等
▽政令市との二重行政を解消
・県営住宅の新潟市への移管(4月から段階的)
▽事業の重点化
・費用対効果、優先度を踏まえた事業採択の重点化
・事業実績に基づいた精査
・スクラップアンドビルドによる事業の見直し
〈市町村への事務・権限の移譲〉
▽地方分権の推進のため、条例により事務処理の特例制度により、県独自で事務・権限の移譲を実施する(22項目、延べ45市町村)
・NPO法人の設立認証(14市)
・農地転用の許可(22市町村)
・農用地区域内の開発行為許可(24市町村)
▽職員の適正配置や事務の効率化等
・県民ニーズに対応しつつ、職員の適正配置や事務の効率化等により定員を削減(14億円、将来30年にわたる縮減効果は約420億円)

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