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建設経済新聞社
2016/02/25

【京都】亀岡駅北のスタジアム建設 要求水準書を事前公表へ 事業者からの意見を聴取

 京都府が亀岡市保津町に計画している球技専用の京都スタジアム(仮称)について、2月定例府議会の代表質問で山田啓二知事は、「亀岡市にとっては長年の懸案であった駅裏側の開発のために大きな決断をもって(府のスタジアム候補地公募に)応募された」「アユモドキ等の生息環境への影響と対策については環境保全専門家会議の意見をしっかり聞きながら慎重に進めている」「スタジアム整備で水源や水路、餌の供給環境などアユモドキ等の生息環境が変化することを想定した実証実験や共生ゾーンの検討を進めてきた。しかし確証を得るためには1年という期間を通して見た方が良いという意見も多くあり、そのなかで建設が遅れているのは環境との両立を考えたコストであると考えている」「これによって産卵に必要なラバーダム(農業堰)の起立時期の調整やダム起立時等の河川や水路に取り残されたアユモドキの救出活動、産卵場の草刈清掃、外来魚の駆除、密漁防止パトロールなど地域の方々の献身的な活動でアユモドキの生息環境を永続的に維持向上させる方策が講じられることになる。アユモドキの保全という観点からも、この取組は意味のあるものになっていると考えている」「さらにスタジアムの整備については、専門家会議の成果とあわせて、技術的な対策などの施工上の配慮を行うため、デザインビルド発注にあたり、想定する施工条件水準を示した要求水準書を事前公表し事業者からの意見を聴取し、整備と環境保全が両立する発注手続きに向けて作業を進めていくなど二重、三重の慎重な対応を進めている」「こうした取組を公共事業評価に係る第三者委員会や文化庁にも説明し、理解を得た上で28年度補正予算案で整備事業費について対応したい」と方針を示した。
 スタジアムの建設地はJR亀岡駅北側約250mに位置する亀岡市保津町鐘鋳島他(亀岡市都市計画公園「京都・亀岡保津川公園」内)。敷地面積は約13万9000u。
 アユモドキ等の自然と共生するスタジアムを実現する「調査・実証実験結果反映型新公共事業モデル」を採用。実施設計と工事を一括発注するデザインビルド方式とする。
 フィールドは128m×83・7m(サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどの球技が可能)。入場可能数は2万人程度。年間集客数は約26万人を想定する。
 基本設計によると、スタジアムの建物規模は(スタンド)RC造一部S造及び(屋根)S造地下1階地上5階建、延5万9200u(建築面積2万3100u)。建物高さは35・5m。
 スタジアムの基本設計は日建設計大阪オフィス(大阪市中央区)。 府は27年度6月補正予算に実施設計費2億円を計上するとともに、建設工事費の債務負担として154億円を設定。28年度当初予算案にはアユモドキ等の自然と共生するスタジアムの整備に向けた環境保全専門家会議の開催や地下水、広域保全対策等の調査を進める費用として専用球技場整備費1600万円を計上した。