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建設新聞社
2016/03/09

【東北・福島】アーカイブ拠点施設の基本構想プロポ 18日まで参加表明受付

 福島県は、東日本大震災および原子力災害の記録と教訓を伝える「アーカイブ拠点施設」の整備にあたり、基本構想策定業務の委託者を公募型プロポーザルで選定するため、募集手続きを開始した。
 参加資格は、過去に類似業務の履行実績があることなどで、地域要件等は問わない。参加表明書は今月18日17時15分、企画提案書等は同31日17時15分まで生涯学習課で受け付ける。
 提案テーマは@施設に求められる情報発信・交流の考え方、手法A浜通り地域の核として地域の復興に果たす役割の考え方などB資料収集と活用の考え方、手法Cその他独自の提案―の4点。
 審査は、県の担当者が行い、4月1日の1次審査(書類審査)で、2次審査(プレゼンテーション・ヒアリング)要請者を選定。2次審査は同5日に非公開で行い、契約候補者を特定する。候補者とは同11日ごろに、履行期間を5カ月間、業務規模を1400万円程度とする委託契約を締結する。
 基本構想は、アーカイブ拠点施設有識者会議が2015年9月に県に提出した報告書を基に策定する。主な内容は、基本的考え方の整理(先進地調査、資料収集方針など)、施設基本計画(機能、構成、ゾーニング、平面図、イメージパースの検討など)、展示基本計画(設計の基本となる配置計画など)、整備スケジュール(設計から工事、展示コンテンツの製作など)、概算費用の算出(維持、運営費も含む)。
 設置場所は現在選定中だが、浜通り地方の再生を目的とした福島国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想における国際産学連携拠点の一つに位置付けられていることから、同地方への設置が有力とされている。
 報告書では、「展示・交流エリア」「資料エリア」「研究エリア」の3エリアにロビーやショップなどを加えた施設構成を提案。さらに各機能として「展示・交流エリア」は、シアターや多目的ホール、災害対応ロボットのデモンストレーションスベースなど、「資料エリア」は、閲覧室や収蔵庫、デジタルサーバースペースなど、「研究エリア」は国際会議やシンポジウムを想定した会議室、研究室などを盛り込んでいる。
 最短の工程で進めた場合、16年度で基本構想策定および建設地決定、17年度で基本・実施設計、18・19年度で本体工事を行い、20年の東京オリンピック前に供用するスケジュール。
 なお、施設規模については今後詰めていくが、15年5月に開催した第3回有識者会議の中で、県側が1万2700平方bとする案を示している。これは神戸市にある「阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター」を参考に算出したもの。

 提供:建設新聞社