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建通新聞社
2016/03/10

【大阪】もっと便利に快適に 鉄道乗入乗継改善

大阪府は2016年度、既存鉄道の相互乗り入れ・乗り継ぎ改善で、梅田、難波、新大阪など10カ所のうち5カ所を対象に、事業者調整を始める前提となる府の提案資料を作成する考えだ。検討業務は、順調なら第1四半期の委託が見込まれる。府で5カ所を選定してから委託するか、委託の中で5カ所を抽出するかは今後決める。
 対象箇所は八つの観点から15カ所を選定。16年度は、梅田、難波、京橋、鶴橋、新大阪、新今宮、淀屋橋、天下茶屋、西九条、河内磐船の10カ所のうち5カ所について検討を行う。
 残る5カ所の、天王寺、上本町、柏原・道明寺、河内長野、日根野は、15年度の検討案として3月末までに取りまとめる見通し。 
 天王寺は、近鉄線からJR線や地下鉄線への乗り継ぎ改善、上本町は近鉄線から地下鉄線への乗り継ぎ通路でにぎわい創出による感覚的乗り継ぎ時間短縮化を検討。柏原・道明寺はJR線と近鉄線、河内長野は近鉄線と南海線の相互乗り入れの提案を検討している。日根野では、和歌山方面から関空方面への乗り換えや大阪方面から関空快速を利用して和歌山に行く場合などで、いずれも乗り換える際に、駅舎内階段を利用して別ホームに行く必要があり、観光客らの利便性を改善する提案が見込まれる。
 府は、天王寺など5カ所について、16年度にも各鉄道事業者に働き掛けを始める。
 16年度実施の検討は、15年度と同じく、各駅での実施方策の検討や課題整理、イメージパースなどの概略図、需要予測、概算事業費・費用対効果の算定をまとめる見通し。実施方策は、短絡線の整備による相互乗り入れ、同一方面でホームを共有するホームtoホーム化、乗り換え通路の直結による移動距離の短縮など。
 15年度検討業務は、かんこう(大阪市城東区)が担当した。
 鉄道アクセスの向上は、大阪の都市魅力はもちろん、インバウンドにおける関西圏の魅力向上につながる。鉄道各社は、訪日外国人旅行者向けの関西統一交通パスを4月から導入する。府の提案に対する各社の対応が注目される。

提供:建通新聞社