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日刊岩手建設工業新聞社
2016/03/16

【岩手】トンネル築造工事を公告 県南振興局土木部

 県南広域振興局土木部で進めている奥州市江刺区梁川〜北上市口内の国道107号の改良は、16年度からトンネル工事に入る予定だ。11日付で、県総務部から(仮称)梁川トンネル築造工事がWTO対象の一般競争で公告された。トンネル築造工事は3者JVによる入札案件で、予定価格は25億3599万4000円。申請書の提出は31日正午までで、入札は5月23日、開札は翌24日を予定している。
 梁川〜口内では、延長2690メートルについて幅員6・5(9・5)メートルに改良する。計画区間は、11年度までに整備を進めた国道107号札押工区から北上市道4013021号付近まで。野手崎橋のあたりは現道拡幅で、そのほかは現道の南側にルートをとる。
 13年度から事業を開始しており、現段階で18年度の完了を見込む。総事業費は45億5000万円を予定している。
 主要構造物として、区間内に1022メートルのNATM工法となる梁川トンネルを、北上と奥州にまたがる位置に設ける。野手崎橋(橋長14・5メートル、RC中空スラブ桁)のボックスカルバート化を図るほか、補強土壁関係も整備する。
 今年度、用地関係の作業を進め、トンネル工事を公告の運びとなった。施工内容は、施工延長1306メートル、トンネル工(NATM)1022メートル、坑門工2基、コンクリートブロック積工1056平方メートル、排水構造物工一式となっている。
 使用する主要な資機材は、生コンクリート約1万3000立方メートル、H型鋼支保工約380d、ロックボルト約1万本を見込んでいる。
 トンネルは、北上市側から掘削していくことを想定している。品質などを高めるための技術提案には、「トンネル覆工コンクリートの品質向上対策について」を設定をした。
 現道は、幅員は狭い個所で6・0(7・0)メートルの個所も見受けられる。6%の急勾配が長く続く現状で、区間内を走行するドライバーは、勾配の続く延長が長い印象を持っているという。線形不良の個所も見受けられ、大型車のすれ違いにも支障もきたしている。
 一方で同路線は、本県沿岸部から秋田県にまで至る物流支援となるもので、県広域道路整備基本計画で地域形成型広域道路、県地域防災計画で緊急輸送道路(第一次路線)となっている。県東日本大震災津波復興計画では、復興支援道路に位置付けている。
 重要路線なことから、急勾配や線形不良を解消し、安全で円滑な交通確保を図る。バイパス化により、勾配を5%とすることを目指すほか、線形も直線に近い形にしたいとしている。