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福島建設工業新聞社
2016/03/25

【福島】海岸防災林造成/28年度、全8地区着工

 県農林水産部は28年度、全体計画作成中の双葉、富岡両地区を含む海岸防災林造成全8地区に着工する計画で、新年度当初予算案に過去最高の事業費161億7862万円を計上した。森林整備業務として発注している同事業の植栽に関しては、同業務委託契約競争参加資格審査要綱を昨年一部改正し、海岸防災林造成事業限定で造園施工管理技士と造園技能士を資格者要件に追加。新年度発注分から競争参加資格者を拡大する。

 海岸防災林造成事業は、震災の津波被害を踏まえ、海岸堤防などとの組み合わせによる多重防御の一環として整備する。林帯幅は、保安林の津波防災機能を強化するため、既存保安林と合わせておおむね200bに拡大。盛土高は、植栽する木の根が太く、長く伸びるよう、地下水位から3b程度とし、津波への抵抗力を増強させる。
 事業実施個所(造成面積・f)は@相馬171A鹿島108B原町75C小高142D浪江70E双葉30F富岡33G楢葉39―の8地区。相馬から小高の4地区は23年度、浪江と楢葉は26年度、双葉と富岡は27年度に事業着手した。
 双葉、富岡両地区を除く6地区は、27年度までに着工。昨年9月末時点の進捗状況は、造成約12・5f、植栽約12万4000本となっている。
 今年度事業着手した双葉、富岡両地区は、全体計画確定後、4月以降詳細設計に着手し、新年度の用地・補償促進、工事着手を目指す。
 27年度事業費は当初予算で102億2820万円を確保。28年度は27年度比58・2%増を付けており、事業費累計は約350億円となる見通し。8地区のうち、原町と楢葉の2地区が31年度、残る6地区は32年度の完了を見込んでおり、29年度は28年度を上回る予算規模となりそうだ。
 植栽木の本数は、当初想定の1f当たり1万本から減らす見通し。海側はクロマツ中心で、内陸側は広葉樹も含めて樹種を選定する。調達数量が膨大であるため、関係機関と協議会を設置し、調整している。
 植栽については、森林整備業務委託契約(造林業務)で発注している。昨年11月に同競争参加資格審査要綱を一部改正し、海岸防災林造成事業限定で、1・2級の造園施工管理技士と造園技能士も資格者要件に追加。28年度発注分から、同業務有資格業者で、同資格者保有業者の入札参加を認めることとした。
 なお植栽工のみの新舞子地区(いわき市、18f)の復旧は、25年度に完了している。