トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊岩手建設工業新聞社
2016/03/29

【岩手】鹿島JVが優先交渉権者 中心拠点施設 宮古市

 宮古市は、同市中心市街地拠点施設建設事業の設計・施工者選定プロポーザルを実施した結果、鹿島・日本国土・久米設計特定共同企業体(代表者・鹿島建設(株)東北支店)を優先交渉権者として特定した。同事業の履行期間は18年7月31日までを見込んでいる。プロポーザルの参加表明者数は1者だった。
 同市は、東日本大震災を教訓として、▽防災や災害対応の拠点を見直すこと▽人口減少社会の進行の中で将来的な行政コストを見据えた適切な行政機能と規模を検討すること▽復興後のまちづくりにおける新たな市民サービスに対応していくこと−を主眼に、新たな拠点施設の整備を検討してきた。
 市ではJR宮古駅の南側に、中心市街地拠点施設の整備を計画。建設場所は同市宮町1丁目、南町および山口第1地割の各一部。拠点施設は、市役所本庁舎や(仮称)市民交流センター、保健センターで構成される。
 施設全体の計画規模は延べ床面積1万4358.95平方メートルで、構造は鉄骨造。市役所部分が6階建て、交流センターと保健センターが2階建てとなる。拠点施設全体を「地域防災拠点施設」と位置付け、災害発生時には、市民を守るための役割を最大限発揮する施設とする考えだ。
 このほか、公用車車庫棟(鉄骨造2階建て、延258.64平方メートル)や駐車場・駐輪場なども整備する。
 市では実施設計業務や工事監理業務、施工業務を一括して行う「デザインビルド方式」を採用し、同事業を公告。プロポーザル審査基準に従って総合的に評価し、優先交渉権者を特定した。
 市がまとめた中心市街地拠点施設の基本設計によると、市民交流センターは、敷地北側に配置。平時は市民活動の場となり、災害時など有事の際は市民の避難を受け入れる場となる。施設内には多目的ホールや創作活動室、軽運動スタジオ、子どもふれあいコーナー、防災展示学習ゾーンなどを設ける。
 庁舎や保健センターをつなぐ空間として、人の流れ・にぎわいを生み出す(仮称)みやこモールも配置する。モールは施設内を南北に通行できる主要動線となり、新たな交流活動などを促す。
 市民交流センターと駅を結ぶ自由通路も整備する予定で、2階レベルで接続する。自由通路とモールを一体的に結び、拠点施設・駅前広場の双方のにぎわい創出を図っていく。エレベーターも整備する計画だ。
 市役所本庁舎は敷地中央に配置する。低層階には市民の利用頻度が高い窓口を設ける。津波による被災経験を生かし、災害対策本部としての機能を強化。4階に災害対策エリアや特別職エリアを置くほか、最上階には自家発電設備を設置する。
 施設整備に当たっては、ユニバーサルデザインにも配慮し、誰もが安心して快適に利用できる施設を目指す。玄関付近に「ひとにやさしい駐車場」を設けるほか、通路では車いす使用者らのため、ゆとりある幅員を確保する考えだ。