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日本工業経済新聞社(茨城)
2016/03/23

【茨城】県内地価動向全用途下落も下げ幅縮小

 国土交通省が実施した地価公示結果に基づき、県はことし1月1日時点の県内地価動向を発表した。前回と比べ全ての用途で下落したが、下落幅は全用途で4年連続の縮小となった。つくば市と守谷市で商業地が1地点ずつ上昇、住宅地では土浦市や守谷市など31地点で上昇が見られた。商業地では、水戸市宮町1丁目250番が22年連続の1位。住宅地は、つくば市竹園3丁目5番5が3年連続1位となった。
 下落幅の縮小は、緩やかな景気回復が継続する中、低金利および住宅ローン減税などの施策による住宅需要の下支えなどより土地需要が高まったことに加え、長期間にわたる地価下落により、一部地域において底値感がでてきていることが主な要因。
 地価上昇は、住宅地29地点、商業地2地点の計31地点で見られた(前年比9地点増加)。横ばいは、住宅地44地点、商業地15地点、工業地1地点の計60地点(前年比15地点増加)。
 商業地の地価上位5位を見ると、水戸市が1位を含む2地点、つくば市が2地点、守谷市が1地点となった。このうち水戸市の2地点は、交通の要所となる水戸駅北口と中心商業地の一画に位置し、利便性に優れていることから価格上位を維持。つくば市の2地点は、研究学園都市の中心で、繁華性の高い商業地域に位置。守谷市の地点は、守谷駅東口の近傍に位置し、商業地としての利便性や希少性に優れていることから価格上位を維持している。
 地価の上昇が見られた商業地は、つくば市と守谷市が各1地点。つくば市竹園1丁目6番1は、つくば駅の近傍に位置し、店舗や事務所、ホテルなどが建ち並ぶ中心市街地に位置。守谷市中央2丁目16番20は、守谷駅近傍に位置し、商業地として利便性や稀少性に優れている。
 住宅地の地価上位5位については、つくば市が1位を含む3地点、守谷市が2地点、水戸市が1地点。つくば市の3地点は、いずれも研究学園都市の中心部で、TXによる利便性に加え、住環境の良さから、土地需要が高まり価格上位を維持。守谷市もTXによる利便性が影響。水戸市の地点は閑静な住宅地として人気が高く上位を維持している。
 住宅地で地価の上昇が見られたのは、土浦市が9地点、守谷市が7地点、鹿嶋市が4地点、かすみがうら市が3地点など。
 このうち土浦市の上昇地点は、JR常磐線の荒川沖駅、土浦駅および神立駅から比較的近く交通利便性や住環境に優れた地域に位置し、隣接するつくば市などに対する割安感から土地需要が高まっている。
 鹿嶋市の上昇地点は市街地中心部の生活利便性の優れた高台地域に位置し、震災による液状化などの被害を受けた地域からの移転需要などによるもの。
 一方、地価の下落幅が大きい地点を見てみると、商業地は、城里町1地点、常総市3地点、大子町1地点が上位5位。住宅地は上位5位すべてが常総市。昨年9月の関東・東北豪雨により浸水などの甚大な被害を受けた地域であるため、需要が大きく減退している。
 地価公示は、地価公示法の規定により国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日を基準日に調査。選定対象区域(都市計画区域など)の標準地で単位面積当たりの正常価格を判定し、公示している。
 この価格は、一般の土地取引の際の指標とされているほか、公共用地の取得や土地取引規制のための基準価格等の算定基礎とされている。