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北海道建設新聞社
2016/05/19

【北海道】“鉄業界”で活躍する女性たちが会設立 

 建設業でも特に男性のイメージが強い鉄業界≠ナ今、女性たちが活躍している。メーカーや商社、鉄工所などで働く女性たちが、知識の習得や仕事の悩みについて話し合う会を立ち上げた。業界も大きな期待を寄せており、女性の視点から見た働きやすい環境づくりや、鉄≠フ認知度の高まりにもつながりそうだ。
 彼女たちは、鉄の組織であるフェライトと、インテリア・エクステリアなどを合わせた造語「フェライテリア」として活動。おととし10月に会を組織し、現在6人が所属する。
 メンバーは技術研修会の懇親会で知り合い、「鉄を扱う者同士、何かできないか」と会を設立。活動は2、3カ月に1回程度。営業や事務など、担当している仕事はそれぞれだが、会合では扱っている鉄製品にどんな特徴があるのか、どのようにしたら効率よく業務ができるかといった仕事に関することはもちろん、業界で女性が働く上での悩みの共有など、働きやすい環境をつくるために意見交換。鉄の現場を知るために現場見学会も実施している。
 中心メンバーでJFEスチールに勤務するロバートソン里香さんは2人の子どもを持つ母親。会社では営業事務を担当する。「この会は20―50代のメンバーが参加していて、それぞれの経験をみんなに伝えることができる。見聞を広げることで個人のスキルアップにもつながるし、モチベーションアップにもなる。鉄業界で働く女性たちが生き生きと働けるような活動をしたい」と話す。
 彼女たちは鉄業界で働いているということだけでなく、「鉄が好き」という共通点を持つ。片山鉄建の大友彩加さんも「鉄は私たちにとって身近な存在で、いろいろな形に変わることができる。その奥の深さが魅力」と目を輝かせる。
 こうした女性たちの活躍に業界も期待を寄せる。竹原鉄工所の竹原巌社長によると、人手不足が目立ち始めてきた3、4年ほど前から、鉄業界にも女性が若干増えてきた印象だという。同社でも社員の約1割に当たる7人が女性で、工場や検査部門にも配置。工場で働く女性には、軽いヘルメットや軽快感のある作業着を用意した。同社では女性が現場に入ったことで、整理整頓も行き届き、職場の雰囲気が柔らかくなったという。
 竹原社長は「女性にはもっと会社の外に出て、横のつながりを持ってほしい。女性が活躍することで、働きやすい環境が整ったり、安全作業につながったりするという効果も出てくる。これは鉄業界全体の底上げになると思う」と話し、フェライテリアの活動を応援している。
 フェライテリアでは、次回の活動として石狩で工場見学を予定。関心のある人は声を掛けてほしいと話している。