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建通新聞社(中部)
2016/05/31

【三重】桑名建設事務所 2016年度事業展望

 桑名市、いなべ市、木曽岬町、東員町の2市2町を管轄する三重県桑名建設事務所は、東海環状自動車道関連の道路整備、南海トラフを震源域とした地震に対する海岸堤防の耐震化や液状化対策、いなべ市内の山間部で整備を進める土石流対策を主要事業とし、バイパス整備や橋梁耐震補強、河川改修などを継続して進めている。2016年度の主要事業を真弓明光所長に聞いた。
 ―道路関係の重点事業について聞きたい。
 「主な道路事業としては、16年度に完成予定の桑名大安線(東員町中上)、多度長島線(桑名市多度町中須)、水郷公園線(桑名市長島町松陰)の道路改良事業のほか、都市計画道路桑部播磨線整備事業、主要地方道四日市員弁線バイパス(BP)道路改良事業などを継続して進める」
 「桑名大安線は東海環状自動車道東員インターチェンジ(IC)へのアクセス向上と四日市東員線との交差点部の渋滞緩和を目的として、現在、念仏大橋拡幅工事を進めており、16年度夏の完成を目指している」
 「多度長島線(中須橋)は、幅員狭小区間の解消が目的。すでに新橋(中須橋)の架設が完了しており、旧橋の下部工撤去と護岸工、取り付け道路の整備を行い、16年度の完成を予定している」
 「また、水郷公園線は、伊勢湾岸自動車道湾岸長島ICと市道松陰東西線間の渋滞解消を目的として、左折専用車線を設ける。この路線も16年度の完成を予定している」
 「桑部播磨線は桑名市西南部と伊勢湾岸道路朝日ICの供用で市街地化が進む朝日町、四日市市臨海地域とを結ぶ。この区間は、桑名大安線道路改良事業、員弁川河川改修事業、桑部播磨線街路事業、桑名大安線交通安全対策事業の4事業で一体的な整備を進めている。桑部橋南詰交差点から国道421号間の未整備区間について、16年度は引き続き用地測量と用地買収を進めるとともに、交通安全対策として桑部交差点の改良を実施する」
 「四日市員弁線BPは、国道365号から員弁川を渡り、いなべ総合学園付近を経て、三岐鉄道を跨線、国道421号を結ぶ。現在、国道365号から市道西方上笠田線(いなべ総合学園付近)までの延長約900b(橋梁部192b)を第1工区として整備を進めている。16年度は、15年度に引き続き、交差する市道大安東部線の整備を進める。このほか、新名神自動車道関連で整備を進めてきた砂出川砂防事業が16年度に完了する予定だ」
 ―橋梁の耐震補強は。
 「16年度は鎌田大橋(橋長121b)、三笠橋(橋長172b)、新嘉例川橋(橋長59b)、福吉橋(橋長150b)の下部工を補強するほか、坂井橋(橋長197b)の耐震設計を計画している」
 ―砂防・河川事業について。
 「砂防事業は、いなべ市藤原町の西之貝戸川と小滝川で、土石流が近年多発しており、砂防堰(えん)堤の設置などに取り組んでいる。16年度は西之貝戸川で尾根掘削を継続し、小滝川で管理用道路を進める。このほか、宮之谷川、材木川などで堰堤の整備を進めるとともに、青川、少部原谷川で詳細設計を実施する」
 「土砂災害防止法に基づく基礎調査について、16年度は管内69カ所を予定しており、いなべ市藤原町、桑名市多度町の調査が完了する予定だ」
 「河川事業では、員弁川改修事業が主要事業となる。16年度は、桑部橋下流の堤防の詳細設計と用地買収を、道路事業と連携して進める。また、ソフト対策として員弁川、大山田川、沢北川の3河川の浸水想定区域図の作成を進める」
 ―海岸事業については。
 「長島地区海岸(桑名市長島町)は、木曽川、揖斐川・長良川に挟まれた典型的な輪中地帯であり、背後にはゼロメートル地帯が広がり、人家密集地区や大型レジャー施設がある。地震時に堤防下の地盤が液状化するため、07年度から海岸高潮対策事業として堤防補強を継続している。16年度は堤防の延長1400bのうち、堤内(陸)側延長約260bの耐震対策を行い、17年度の完成を目指している」
 「城南第一地区海岸(桑名市福岡町)は、揖斐川と員弁川に囲まれた輪中地帯。背後にはゼロメートル地帯の干拓地平野が広がっている。地震時の液状化に伴う堤体沈下により、津波や高潮に対しての防護機能が不足しているため、14年度から海岸高潮対策事業として堤防補強に着手している。16年度は、堤防延長790bのうち、延長40bの地盤改良工を進める」

提供:建通新聞社