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建通新聞社(中部)
2016/06/06

【三重】四日市建設事務所 2016年度事業展望

 四日市建設事務所は、自然災害に備えた河川・砂防および海岸の整備や、円滑な都市内道路交通網の確保に向けたバイパス道路事業、鉄道立体交差事業などを積極的に推進している。そこで4月に就任した幸阪芳和所長に2016年度の主要事業などを聞いた。
 ―主要事業について。
 「主な重点事業として、四日市インターアクセス道路(国道477号四日市湯の山道路)や近鉄川原町駅周辺総合整備事業などが挙げられる。国道477号四日市湯の山道路は、東名阪自動車道の四日市インターチェンジ(IC)と新名神高速道路の菰野IC(仮称)を結ぶアクセス道路として、14年5月24日に高角ICから県道四日市菰野大安線の区間(延長4・4`)で2車線の暫定供用を開始した」
 「引き続き、菰野IC(仮称)までの延長4・4`を対象に、橋梁工事や道路改良工事を進める。16年度は潤田高架橋の上部工や潤田工区・大強原工区での盛り土工事などを行う」
 「近鉄川原町駅周辺総合整備事業では、連続立体交差、三滝川河川改修、国道477号西浦バイパス道路改築の3事業を一体的に実施している。これまでに明治橋、近鉄との交差部分に当たる函渠前後の工事が完了し、国道477号西浦バイパス(延長0・4`)の暫定供用を開始した。また、連続立体交差事業としては、14年10月に中川方面下り線の高架切り替えを行い、16年度は名古屋方面上り線の高架への切り替えを実施、鉄道高架が完了したところだ」
 ―その他の事業についてはどうか。
 「道路事業では、県道四日市鈴鹿環状線の釆女地区内で道路幅員が狭いため、バイパス(延長2・6`)の整備を行う。16年度は、引き続き道路改良工事を進める。なお、この工区はオオタカの生息地であるため、猛きん類生息調査を行いながら整備を進める」
 「河川事業では、朝明川の河道掘削と護岸工事や、三滝川の老松橋上流側の堤防嵩上げ工事を進めるとともに、河川に堆積した土砂の撤去を行う。またソフト対策として、朝明川と三滝川、海蔵川の想定浸水区域図の作成を進める」
 「砂防事業では、15年度に引き続き、かや落し谷川の工事用道路を施工する。海岸事業では磯津地区海岸の養浜整備(V=5000立方b)のほか川越地区海岸の耐震対策工(延長100b)や老朽化対策工(延長70b)を進める」
 ―新規事業、特殊工法など特徴のある工事について。
 「16年度から着手する新規事業として、県道上海老茂福線の道路改築事業(延長0・5`)がある。同事業は事業区間横で計画されている北勢広域防災拠点の整備に合わせ、17年度までに四日市東インターB区間右折レーンの増設と、県道上海老茂福線本線の4車線化を行う」
 「特徴のある工事として、県道湯の山温泉線の橋梁整備(仮称:湯の山大橋)が挙げられる。県道湯の山温泉線は、湯の山温泉の観光道路であり、災害時における住民や観光客の安全を確保する必要がある。国道477号(鈴鹿スカイライン)から直接アクセスできる代替道路として橋梁整備を行う。現在、張り出し(片持ち)工法による上部工の施工を進めている。16年度はA1橋台側の道路改良工事や法面工事の整備を進める予定だ」
 ―管内における整備課題について。
 「四日市建設事務所は、県民の安全・安心の確保、地域経済活動の基盤となる幹線道路の整備、快適な都市づくり・住まいづくりと併せ、既存施設の適正な維持管理を推進している。そのため、県民の皆さんのご理解・ご協力はもとより、建設業界の支援・協力が不可欠であると考えている」
 「建設業界は、必要かつ良質な社会資本整備、防災に優れた安全で安心な地域づくりに欠かせない存在。地域経済や雇用を支える役割を担う企業として発展し続け、その担い手である若手技術者に技術力が継承されることが重要であると認識している。引き続き支援を行っていく」
 「また、三重県では、建設工事の総合評価方式についても、皆さんのご意見を基にさらなる改善に取り組んでいる。15年6月から工事種別の適用範囲、評価項目や配点の見直しを行った。このほか、14年度から実施している優良工事表彰は、受注者の意欲と技術力の向上を図るとともに、建設業界の健全な育成に寄与することを目的として引き続き行う考えだ」
 「これらの取り組みを進めつつ、県民の皆さんに成果をお届けすることで四日市建設事務所の存在感を高めることができる。これからも信頼される建設事務所を目指したい」

提供:建通新聞社