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日刊建設タイムズ社
2016/06/17

【千葉】移転再整備で輸出拠点に/成田市卸売市場審答申/早期に整備方針決定

 成田市公設地方卸売市場運営審議会(岩澤貞男会長)は、本年2月10日付で小泉一成市長から諮問のあった「成田市場の今後のあり方」について答申した。成田市場の将来性については、輸出拠点機能を有する市場として再整備し、整備手法のあり方については、移転による再整備、経営展望の策定、市場施設跡地の利活用の検討を求めた。答申を受けた小泉市長は「整備方針を決定し、再整備に向けてスピード感を持って進める」との方針を示した。
  再整備に向けては、早期に施設整備方針を決定し、その後、移転場所を選定し、基本計画を策定する。移転場所については、空港に近接する場所でいくつかある候補地の中から1か所を絞り込む。基本計画については、市の本年度当初予算に卸売市場再整備基本計画策定委託費1270万1000円を措置している。再整備は、2020年度の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えて19年度の開業を目指す。
  答申によると、市場の将来性については、成田空港に近接する立地を最大限活用し、輸出拠点施設としての機能を持つ市場の再整備を進め、他の市場との差別化を図ることが将来性に貢献するとして、東関道・圏央道などの交通ネットワークを活かしながら、成田市場を輸出拠点機能を有する市場として再整備していくこととした。
  将来の取扱高見込みでは、青果部は29年度までに27億円程度まで回復し、輸出による取扱高は19年度までに44億円を目標としたうえで、29年度末に51億円、青果部トータルでは78億円を見込む。水産部は、29年度までに55億円程度まで減少することが見込まれるが、取引手続きのルール化等を行うことで65億円を維持する。輸出による取扱高は、19年度までに44億円を目標としたうえで、29年度末に49億円、水産部トータルでは114億円を見込む。
  一方、整備手法のあり方では、施設は11年度の耐震診断で震度6強での倒壊または崩壊の危険性があり、対応が急務とした。そのうえで、輸出拠点機能を加味した施設規模などを考慮すると、現在地の市場用地では面積が不足し、周辺への騒音や振動、臭気などの課題もあるとして、より空港に近い場所等への移転による新地での再整備に取り組むこととした。
  また付帯する機能として、輸出拠点機能、コールドチェーンなどの物流・流通機能の拡充や加工機能などの戦略的な機能の付加、市民や旅行者が市場を楽しめる新たな機能を追加するなど、新しい市場の魅力を創出できるよう経営展望を策定するとともに、借地となっている水産棟敷地について地権者と協議することや、市場施設の跡地の利活用について検討することを求めた。
  運営審議会への諮問は、13年12月26日付で答申のあった「成田市場の今後のあり方」のうち、「成田市場の将来性」及び「整備手法のあり方」の2項目について、小泉市長が本年2月10日に同審議会に再諮問した。
  輸出拠点化に向けては、昨年度で「輸出拠点機能等調査」をパシフィックコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区新町1―7)に委託。卸売市場の輸出拠点化を目指し、卸売市場内に「成田市公設卸売市場輸出拠点施設」を整備するための調査を実施するとともに、ロンドンに輸出する農産物を対象に実証実験を行った。k_times_comをフォローしましょう
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