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日本工業経済新聞社(群馬)
2016/06/27

【群馬】中間前払金の全額取得を目指す

県建設企画課は、本年度予算の執行方針を示した。中間前払金の全額取得を目指し、地域経済効果の早期発現を促す。中間前払金の取得率は年々上昇傾向だが、昨年度の取得率は金額ベースで約74%。伸びる余地を残す。100%の取得率に向け、工事請負業者に積極的な取得を呼び掛けていく。
県発注工事の中間前払金は、工事経費の2割を超えない範囲で受けることができる。◇工期の2分の1を経過している◇工期の2分の1を経過するまでに実施すべきものとされている作業が行われている◇すでに行われた作業経費が請負代金の2分の1以上に相当する−を全て満たすことが条件。請負代金が50万円以上の工事が対象だ。前払金と合わせ、最大で経費の6割を工事完成前に受け取れる。
取得率は年々上昇している。同課の集計によると、設計額が800万円以上の案件では、金額ベースで2013年度は約67%(47億5800万円)、14年度は約69%(48億2600万円)、15年度は約74%(42億8600万円)。ただ、直近で最も取得率の高い15年度を切り取っても、約15億円の中間前払金が支払われていない。まだ伸びる余地を残している。
中間前払金は工事完成前に請負業者に支払われる。地域の景気浮揚を促すため、取得率を可能な限り100%に近づける。
このほか、本年度から新たに「月当たり施工量の平準化」に取り組む。発注工事金額を工事期間で割って算出する日当たり金額を合計し、毎月同程度の稼働額になるように発注時期を調整する。標準工期より長い期間内で、受注者が最も効率的な施工時期を選択できる「フレックス工期」の試行件数も拡充。受発注者双方の観点から施工時期の平準化を促進する。
中小規模工事は、B等級向けを12%以上、C等級は3%以上、計15%以上を確保。B、C等級業者の受注機会を増やし、公共事業による経済波及効果をすみずみまで広げていく。1億円未満の案件を指名競争入札とすることができる特例措置も継続。変動する市場価格に対応しやすい体制をとる。
現場の実態と乖離が出ないよう、本年度も歩掛や積算基準を例年の10月から前倒し適用する。4月に交通誘導警備員の計上方法を見直したほか、地質調査業務の諸経費率を改定。6月には低入札価格調査基準や最低制限価格の見直し、「道路維持工事」から「橋梁保全工事」の分離新設、「河川・道路構造物工事」「鋼橋架設工事」の間接費見直しを実施した。