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建設新聞社(長崎)
2016/07/07

【長崎】就職先―給与や休暇より仕事内容重視

工業系高校進路指導者と県内企業との名刺交換会
  求人票の仕事内容欄の書き方で希望者数が変わる
名刺交換会の様子
 工業系高校卒業生の6割以上が県外に就職している状況の改善に向け、工業系学科のある県内高校の進路指導者と県内企業との名刺交換会が30日、長崎市の平和会館ホールで開かれた。参加した県内企業は56社で、このうち19社が建設企業だった。各高校の進路指導担当教諭らからは、就職希望先の選定に当たって、給与や休暇よりも仕事内容を重視するとの意見が多く出た。優秀な生徒の確保には、求人票に仕事内容を詳細に記載することや、会社の業務内容が分かる資料を高校に提供することが不可欠だと言えそうだ。

  工業高校卒業生 6割が県外就職
県都野川直樹補佐 会の冒頭、県産業労働部雇用政策課の都野川直樹課長補佐が、県内の高校生の就職状況について「今春の卒業者の就職内定率は97・8%で23年ぶりの高水準になったものの、その4割が県外に就職、特に工業学科は6割以上が県外に就職している」と厳しい状況を説明。その要因として、全国的に企業の採用意欲が高まっていることと、県内企業の求人票の提出時期が遅いことを挙げ、「生徒が県内企業に就職を希望しても、十分な時間が無い」と指摘。7月1日から学校で求人票が公開されることを踏まえ、参加企業に対し早期の求人の取り組みを求めた。一方、進路指導者に対しては、「生徒が就職先を決める際に、学校の先生からのアドバイスは大きな影響を与える」とした上で、この名刺交換会で企業の採用担当者と情報交換・意見交換して相互理解を深め、「生徒に県内企業の素晴らしさ、地元で活躍することの素晴らしさを伝えてほしい」と呼び掛けた。

  Web、DVDなどで情報発信の充実を佐世保工業 久田主任主事
 引き続き県立佐世保工業高校の久田重毅進路指導主事が、学校での進路指導状況などを説明。この中で、生徒が就職希望先を決める際の判断材料となる第一の情報源が求人票の『仕事内容』の欄だとし「高校生でもイメージできるよう、分かりやすい言葉で具体的に丁寧に書いてほしい。この欄の文字数が多いほど応募者が多い」と明かした。併せて、企業パンフレットや企業のWebページ、さらにはDVDなどが情報源になるとし、企業に対し情報発信の充実・学校への提供を求めた。また「求人票はハローワークに提出するだけでは学校に届かない。求人したい学校に求人票の写しを直接送付・持参してほしい」とも話した。
 名刺交換会は、会場内に56社の企業ブース(テーブル)を設け、定時制を含む10校の進路指導者ら55人が各ブースを回る形で実施。参加した建設企業に話を聞くと、厳しい環境下にあった10年以上前から新卒者を継続して採用している企業も一部にはあるものの、多くはここ数年で新卒者の採用を開始していた。だが、今後は継続的に新卒者を採用し、人材の確保・育成を進めていくという。また、県内全域からの採用に対応できるよう、新卒者を居住面でサポートする企業も多かった。

  学校とのコミュニケーションで知名度向上
 進路指導者に話を聞くと、多くの教諭が「県内企業に就職を希望する生徒の割合が増えた」と回答。学校側も「優秀な技術者を県内に残したい」との思いが強まっているという。従来も潜在的に県内就職のニーズはあったものの「求人票の提出が遅かった」や「インターンシップなどで協力してもらっている企業以外を知る機会がなかった」などの理由で、就職できていなかった。それが、今年2回目となるこの名刺交換会を含む、昨今の官民を挙げた取り組みで改善されつつある。今回参加した企業の中にも「業界内では名が知れているが、高校生・先生の知名度は低い」と認め、学校と積極的にコミュニケーションを図り始めたケースもある。

  不安を初期段階で解消できる体制づくり
 今後の問題は、就職してもらった若者にいかに定着してもらうか≠セ。この点を進路指導者に聞くと、「社内に同年代の先輩・同僚がいたり、たとえ年が離れていても親身になって相談に乗ってくれる人がいること」を重視する意見が多かった。社会に出たばかりの若者が抱く不安や問題を、初期の段階で解消できるような環境・体制づくりが必要なようだ。また、大手企業と同様に十分な研修期間の確保を求める意見もあった。研修期間中に本人の適性を見極め、適切な部署に配置することや、研修期間中の仲間との結び付きが定着につながるという。
ksrogo