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鹿児島建設新聞
2016/07/14

【鹿児島】初の民間知事へ「三反園訓氏に聞く」 地域に建設業は必要

 三反園訓新知事が誕生する。選挙戦では「県民視点」「現場主義」「民間発想」というキーワードが並んだ。これから4年間、新しい鹿児島づくりに向けて、具体的に政策を進めないといけない。建設業界に対する認識や今後の方向性、まちづくりのプランについて聞いた。

 −建設業界に対する認識は。

 地元密着型の建設業者が果たしている役割は理解している。災害時に例えば、大雪時に道路が寸断されているときの除雪作業は、地域に建設業者が即対応できないと地域が孤立してしまう。そのためにも、地域にある程度の業者は必要だ。
 安心してください。県建設業協会等とも直接、話し合いたい。何が一番大事なのか、どうすれば良い方向に進むのか、お互い真摯に向き合い、そこで結論、政策を出して道を切り拓いていきたい。
 モットーは「現場を見ないで、人の意見を聞かないで、判断することを絶対にやらない」ことです。

◆人の流れ変える

 −鹿児島市内のまちづくりの考え方を。

 鹿児島市中心市街地に元気がない。クルーズ船は大勢の外国人が一気に物を買ってくれるのでメリットは大きい。現在は、マリンポートかごしまに寄港。そうすると、大手量販店で買い物をしてしまい、地元になかなかお金が落ちない。
 商店街で消費を促すには、長崎のように中心街の近くに船が停泊できるようにすること。本港区の北ふ頭にでも寄港可能となり、路面電車があれば、天文館で消費していただけるような「人の流れ」を変えることができる。そのためにも、港湾整備の予算を国が付けていただければありがたい。

◆できることからやる

 −地域振興の考え方は。

 香港から鹿児島にLCCが就航した。現在、離島では成田−奄美間だけ。次のステップは、成田−種子島間の就航。種子・屋久は一つと考え、高速船の寄港時間も航空機に合わせ、今まで、来島できていない新たな旅行客を掘り起こしたい。
 屋久島空港のジェット化には時間がかかる。まず、ジェット化されている種子島空港の有効利用を考え、できることを実行する「民間と同じ発想」で政策を進める。これからの県庁は、知恵を出す集団に衣替えしたい。

◆県営ドーム造りたい

 −スポーツ振興に向けた取り組みは。

 多目的に利用できる県営ドーム球技場を造りたい。天候に左右されないで、野球だけでなく、ゲートボール、グラウンドゴルフなど多目的に利用可能な施設を想定。特に、イベントでは、3万人規模のコンサートも可能なキャパシティとなると、地域経済への波及効果が大きい。
 箱物を造ると、その後の維持管理を考え、批判を受ける。ランニングコストに耐えられなくなり、閉鎖や解体されていく施設がある。収益をプラスにする仕組みづくりやローコストで建設する知恵も一緒になって考えていきたい。

◆一緒に元気な鹿児島を

 −まちづくりの方向性は。

 子どもから大人までが時間と空間を共有できる、アウトレットモールやレジャーランドを誘致したい。常識にとらわれない発想に従う勇気を持っていないといけない。
 今後のまちづくりには、建設業に従事している方々の専門的な知識、経験を県の活性化のために、知恵をいただきながら、一緒に新しい元気な鹿児島をつくっていきたい。
 ラグビーの「ノーサイド」の精神で、生の声を聞いてから政策決定を行う。これまでの経験、中央政界での人脈を活用し、情報発信力を高めて、トップセールスを展開したい。現場主義の改革を進めながら、安心して生活できる鹿児島づくりを進めます。


■プロフィール
 1958年2月、指宿市十町生まれの58歳。指宿高校、早稲田大学卒業後、テレビ朝日に入社。これまで、総理官邸、自民党、各省庁の政治記者、「ニュースステーション」政治担当キャスターを歴任した。