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建設経済新聞社
2016/08/01

【京都】由良川の減災対策の取組方針 下流部で輪中堤、宅地嵩上等

 由良川減災対策の取組方針がこのほどまとまった。
 沿川4市(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市)と、気象庁京都地方気象台、畿地方整備局福知山河川国道事務所で構成する由良川減災対策協議会が5月18日に設立。6月28日に第1回幹事会、7月14日に第2回幹事会を開き、取組項目案などを検討していた。
 7月27日に福知山市消防防災センター(福知山市東羽合町)で開催の第2回由良川減災対策協議会には、大橋一夫福知山市市長、堤茂舞鶴市副市長、山ア清吾綾部市副市長、上田清和宮津市副市長、関西浩二京都府砂防課長、松本逸平気象庁京都地方気象台長、南後和寛近畿地方整備局福知山河川国道事務所長が出席。取組方針の内容を確認した。
 取組方針によると、減災のため5年間(〜32年度)で達成すべき目標として、「逃がす・防ぐ・立ち上がる」を確実になすべく、防災関係機関と住民が課題に真に取り組むことで「水害に強い地域」をつくるための水防災意識が現世代から将来の世代に確実に普及・継承されることを目指す。
 目標達成のための主なハード対策は、洪水を安全に流す対策で▽下流部で輪中堤整備(下東、三日市、阿良須の3地先で約3600m)、宅地嵩上げ(15地先(320戸)で家屋を計画高水位まで嵩上げ)→30年代半ばの早い時期[近畿地整]▽中流部で連続堤防整備(川北、私市、前田、戸田、観音寺の5地先で約6800m)及び河道掘削等の実施(堤防を整備した上で、さらに水位を低下させるため河道掘削等を実施。掘削した土砂は堤防整備の材料に活用しコストを縮減)→30年代半ばの早い時期[近畿地整]▽浸食・洗堀対策を実施→32年度[近畿地整]に取り組む。
 内水を安全に処理する対策で▽福知山市街地で排水機の増設、遊水池の建設、貯留管の増設等の総合的な治水対策→31年度[福知山市、京都府、近畿地整]に取り組む。
 危機管理型ハード対策で、▽天端の保護(堤防天端をアスファルト等で保護し、堤防への雨水の浸透を抑制するとともに、越水した場合には法肩部の崩壊の進行を遅らせることにより、決壊までの時間を少しでも延ばす)→32年度[近畿地整]▽裏法尻の補強(裏法尻をブロック等で補強し、越水した場合には深掘れの進行を遅らせることにより、決壊までの時間を少しでも延ばす)→32年度[近畿地整]に取り組む。
 避難行動、水防活動に資する基盤等の整備で、▽円滑かつ迅速な避難に資する施設(防災行政無線スピーカーの増設、CCTVカメラの増設、民間企業等と連携した一時避難場所の確保、避難経路の指定・整備等のハード)整備→32年度まで段階的に実施[沿川4市、京都府、近畿地整]▽排水施設等の耐水化を引き続き行う→32年度までに随時[沿川4市、京都府、近畿地整]に取り組む。
 ソフト対策では、想定最大規模降雨時の洪水浸水想定区域図(ハザードマップ)の作成・公表、水防活動の強化・効率化、自営水防の推進などを盛り込んだ。