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建通新聞社(東京)
2016/08/16

【東京】都 建設業の魅力発信モデル工事を10件で試行

 東京都建設局は「建設業の魅力発信モデル工事」の試行について、近日中に公告予定の「環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事」を皮切りに10件の案件に適用する方針を固めた。既に契約済みの案件でも試行することを検討している。建設業の“最前線”である現場から魅力を発信するよう、受注者の提案に沿って小中学生、高校生、大学生向けに現場見学会を開く。その際、見学者へのアンケート調査も実施し、結果を次の取り組みに反映していく考えだ。モデル工事の試行対象であることを明記して順次発注手続きを進めていく。
 現段階で試行対象とする工事のうち、第三建設事務所が所管する環七地下広域調節池をはじめ、第二建設事務所の「若潮橋旧橋撤去工事(その5)及び新橋下部工事(その4)」、第四建設事務所の「石神井川整備工事(その159)」など7件については発注時期なども固めており、順次契約手続きを進めていく。
 都では、将来にわたって社会資本を安定的に整備・維持管理していくためには、中長期的な観点で公共工事の担い手を確保していくことが不可欠だと判断し、入札に参加しやすい環境づくりを進めている。併せて「若手技術者育成」「週休2日制確保」「女性活躍推進」といったモデル工事も試行し、建設業の担い手確保につなげる考えだ。
 こうした取り組みの一環として、公共工事の効果と必要性を広く周知しつつ建設業の魅力をPRし、若者の入職を促すことを目的に、受注者が建設現場で建設業の魅力を発信するための現場見学会を提案開催する「建設業の魅力発信モデル工事」を試行する。
 試行に当たっては、特記仕様書と起工書にモデル工事であることを明記し、発注(案件公表)時にも備考欄などに試行対象であることを記載する。
 現場見学会は工期内に1回開くことを基本とし、時間は1時間半程度に設定する。対象は小中学生、高校生、大学生とし、受注者は発注者と調整しながら現場見学会の開催時期、内容、規模(参加人数)などを提案。現場見学会の実施計画書を作成して監督員に提出する。これに基づき、発注者が見学対象の学校関係者と調整する。現場見学に必要な費用は、イメージアップ経費として都が負担する。
 見学会の実施後、受注者が見学者にアンケート調査を実施し、その結果を発注者に提出する。
 工事の完了後、都が工事成績評定の「社会的貢献」の項目で加点対象として評価する。
 建設局では、2016年度に実施するモデル工事の実態やアンケート結果を基に課題などを検証し、17年度以降に取り組みを拡大していく考えだ。
提供/建通新聞社