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建通新聞社(神奈川)
2016/08/17

【神奈川】神奈川県基地関係県市連絡協議会 基地問題に関する要望 相模総合補給廠で駅前道路整備など

  神奈川県基地関係県市連絡協議会は17日、2017年度「基地問題に関する要望」を安倍晋三首相の他、関係政府機関あてに実施した。米軍基地の整理・縮小・早期返還の要望では、返還後の地元市の跡地利用構想・計画を示した。相模原市の相模総合補給廠では、相模原市の中心市街地にふさわしいまちづくりのため、JR横浜線と並行した駅前の道路整備などを行うとした。
 連絡協議会は、神奈川県と、基地に関係する横浜市、相模原市、横須賀市、藤沢市、逗子市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市−で構成する。
 要望書に示された重点要望事項は、@米軍基地の整理・縮小・早期返還A厚木基地における航空機騒音解消B米国原子力艦の事故による原子力災害対策を強化充実C日米地位協定の見直しを行うとともに、その運用について、適切な改善を図るD住宅防音工事等、騒音対策の充実を図るE国による財政的措置及び各種支援策を充実する−の6項目。
 このうち、米軍基地の整理・縮小・早期返還は外務省と防衛省に要望。特に▽遊休化している基地▽住民福祉・都市整備のための公共施設用地として緊急に必要とする基地▽周辺住民に多大な障害を与えている基地−の対処と返還方針が合意されている基地の早期返還実現を求めた。
 返還国有地の利用に当たっては、地元の利用計画を最優先し、国による跡地利用についても地元の計画・要望に沿ったものとすること。また、国有地の処分に当たっては、地元自治体に対する無償による譲渡などの措置を講ずることを求めた。
 早期返還を求めた基地の跡地利用構想は次の通り。
■根岸住宅地区(横浜市)=日米間で返還方針合意
 独特の景観や雰囲気や隣接する根岸森林公園の環境を活用しながら、憩いの空間の形成を目指す。
■池子住宅地区及び海軍補助施設=日米間で一部返還方針合意
 横浜市域の飛び地は、周辺住民が災害時に利用できる避難場所などを検討する。逗子市域は、広域避難場所を兼ねた自然公園などの利用を図る。
■横須賀海軍施設(横須賀市、一部返還)
 通信試験施設部分は、旧長井住宅地区と一体利用を図る。
■相模総合補給廠(相模原市)=日米間で共同利用(約35f)及び北側外周部分の一部返還(約0・9f)について合意
 小田急多摩線のJR相模原駅などへの延伸と合わせ、広域交流拠点都市を目指す相模原市の中心市街地にふさわしいまちづくりを早期に進める。
 ▽JR横浜線と並行した道路整備による東西方向のアクセス向上▽北側道路の整備による宮下〜上矢部方面のアクセス向上−についても早期推進を図る。
■相模原住宅地区(相模原市)
 中低層の住宅が立ち並ぶ市街地の中に位置する立地条件を生かし、緑を保全した公園や防災空間としての機能の他、文化、福祉施設の整備を図る。
 特に、▽ウォーターフィルタープラント(浄水場)区域の公園等利用▽東側外周部分の道路整備による南北方向のアクセス向上▽北西側外周部分を歩行者用の緑道として整備▽横浜水道道の開放による南北方向のアクセス向上−について、早期推進を図る。
■キャンプ座間
 相模原市内では、▽ゴルフ場外周道路の整備による周辺地域の渋滞緩和と南北方向(第7ゲート付近〜県道51号)のアクセス向上▽市道新戸相武台のトンネル拡幅再整備による安全性向上と交通利便性向上▽ゴルフ場の活用による市民憩いの場の整備と防災空間確保▽旧まがり坂(峰の坂道)の復活による東西方向のアクセス確保▽新磯高校東側の道路整備による南北方向のアクセス向上−について早期推進を図る。
 座間市内では教育、文化、福祉などの公共公益施設整備を図る。
 水道施設用地は公園等として利用を図る。特に早急な整備を図るものは、チャペル・ヒル住宅地区の返還跡地利用構想に基づく施設整備。
■厚木海軍飛行場
 大和市内では、綾瀬市と協調して地域開発の拠点として整備を図る。
 綾瀬市内では特に、▽西門南側地区(約5f)の周辺道路としての整備▽遊休化しているピクニックエリア(約6f)とゴルフ場地区(約39f)の厚生施設や市民のスポーツ、レクリエーションの場として利用−を促進する。
 提供:建通新聞社