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建通新聞社四国
2016/08/30

【高知】国交省 日下川新規放水路トンネルのルート確定

 日高村で発生した2014年8月の豪雨災害を受け、国土交通省は日下川と仁淀川をつなぐ新規放水路トンネルを建設する。このほど地元調整が完了し、8月25日に開いた日下川浸水対策調整会議の席上で、ルートを明らかにした。今後用地取得を進め、17年度上半期中の公告を目指す。
 新規放水路トンネルの延長は約5300b、直径7bの馬蹄型で、道路トンネルと同じようにNATM工法で掘削を進める。日下川側の呑口は、既存の日下川放水路の呑口に隣接し、仁淀川側の吐口は、南の谷排水機場の少し下流側に建設する。本体工事は日下川側と仁淀川側に分離し発注する計画で、それぞれ斜抗を掘り、4方向に掘削を進めることで工期短縮を目指す。また、工事の進捗状況を見て、呑口側と吐口側それぞれで構造物の工事を別途発注、20年度の完成を目指す。トンネル予備設計・詳細設計はいであ四国支店(高知市)が担当。
 日下川の浸水対策は、国、県、日高村の三者が連携して進めており、県が日下川と戸梶川の河川改修を進め、トンネル工事や河道掘削などで発生した土砂を処分する残土処分場整備は三者が役割分担し進める。
 日下川床上浸水対策特別緊急事業で県が進める河川改修は、放水路トンネルより上流にあたる日下川の延長4400bと戸梶川の延長2050bが対象。断面不足を解消するため河道掘削などを進める。初弾工として地盤が弱い岡花調整池付近の護岸に矢板を打ち込む工事を年内に発注する予定。
 残土処分場は、県道庄田伊野線から錦山カントリークラブに入る村道の途中に整備される。処分場と進入路の用地取得を現在村が進めており、進入路整備は国が年内に発注する見込み。延長は約2`で、既存の幅員4〜5bを7bに拡幅、県道側の少しの区間は新設となる。
 処分場整備は県が担当、すでに場内進入路工事に着手しており、進捗状況を見て、年度内に調整池と排水路の工事をそれぞれ発注する。その後、処分場の整地・造成を進め、20年度の完成を目指す。処分場の面積は約12万平方b。
 日下川流域では、14年8月の台風12号による大雨により家屋が浸水するなどの被害が発生した。既設の日下川放水路、派川日下川の排水量を著しく超過したことが浸水の要因とみており、抜本的な対策を進める。

提供:建通新聞社