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北海道建設新聞社
2016/09/05

【東京】NHK 放送センター建て替え20年秋着工

 日本放送協会(NHK)は、東京・渋谷にあるNHK放送センターを建て替える。工事を複数の期間に分け、第T期で「情報棟」建設を設計・施工一括で発注する。2017〜18年に業者を選定し、18年に設計開始。東京オリンピック・パラリンピック終了後の20年秋に着工し、放送開始100周年に当たる25年の運用開始を目指す。第U期以降については今後検討する。
 建て替え後の放送センターは延べ床面積が約27万平方b。想定建設費は第T期・情報棟が600億円、第U期以降の制作事務棟・公開棟などが1100億円(放送設備を除く)。全体の工期は約16年間を見込む。基本計画はNHKが専門家のアドバイスを得て策定した。
《情報棟は7万平方b》
 第T期で建設する情報棟は免震構造。現在の「ふれあいホール」と車路の一部などを解体して建設する。規模は地下1階地上9階建て延べ約7万平方b。中核となる放送基幹機能を整備し、現在北館と本館に分かれているニュースセンター・ラジオセンター・国際放送スタジオなどを集中配置。受変電室や配電室などセンター全体の電源インフラを配置する。
 第U期以降の発注範囲は未定だが、手順としては東館の一部を除却し(26〜27年)、「制作事務T期棟」建物を建設(28〜30年)。放送設備を整備するとともに情報棟西側に緊急報道車両の仮設駐車スペースを整備する。
《制作事務棟16万平方b、公開棟2万平方b》
 その後、東館の残りと西・北・本館を除却(31〜32年)。「制作事務U期棟」と「公開棟」を建設し放送設備を整備する(33〜36年)。人工地盤や駐車場も36年までに整備する計画だ。NHKホールは現状のまま残す。
 制作事務棟は免震構造で地下1階地上18階建て延べ約16万平方b。4K・8K、SHVやネット展開に対応する創造空間を整備する。低中層が制作機能と食堂や共用会議室、ポストプロダクション施設群で、中高層階が一般室。特大映像スタジオを情報棟側に配置し、緊急時の報道に迅速に対応する。
 公開棟は耐震構造の4階建て延べ約2万平方b。「スタジオパーク」や公開スタジオ、特大映像スタジオを設け、エントランスのアトリウムにレストランやショップ、「ハートプラザ」を設置する。
 設備は非常用電源機能を168時間分確保する。液体燃料に加え、耐震化が進んだ都市ガスも併用する「デュアルフューエルシステム」の自家発電装置の導入を検討する。
 飲料水や食料などの備蓄スペースは各棟に分散配置し、1400人を対象とした帰宅困難者対策を行う。
 第U期以降の発注範囲や契約方式を今後検討する。
 工事期間中の代替スタジオやオフィスは、地方局の活用や外部での借用などを検討する。
 NHKでは15年11月に「放送センター建替工事に関する専門委員会」を設置し、契約方式や手続きの進め方について検討を進めている。期間は17年3月まで。
 委員は▽鈴木啓之氏(委員長・公認会計士)▽原田保夫氏(民間都市開発推進機構理事長)▽佐藤りえ子氏(弁護士)▽松村秀一氏(東京大学大学院工学系研究科教授)▽荒井耕氏(一橋大学大学院商学研究科教授)―の5人。
《既存建物は延べ22・8万平方b》
 放送センターは渋谷駅と原宿駅を結ぶ動線上にあり、周辺には代々木公園が広がる。渋谷のまちとつながりを深めるとともに、屋上緑化や植栽により周辺環境との調和を目指す。
 建設地は渋谷区神南2ノ2ノ1(現在地)の敷地8万2645平方b。
提供/建通新聞社