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建設経済新聞社
2016/09/06

【京都】新庁舎発注、15単位に細分化 市内業者の参入機会拡大図る 本・西、分庁舎は10月公告へ

 京都市は5日、新庁舎整備事業の実施設計をとりまとめ、概要を発表した。
 工事発注単位は、基本計画時には庁舎ごとに建築、機械設備及び電気設備の3単位に分割し合計9単位としていたが、機械設備を空調設備と衛生設備に分割するとともに、電気設備から太陽光発電設備を分離させることで、各庁舎5単位、合計15単位に細分化する《=表参照》。可能な限り市内業者の参入機会の拡大を図る。このうち本・西庁舎建築工事、分庁舎建築工事、北庁舎建築工事の3工事はそれぞれWTO対象案件。
 予定スケジュールによると、28年9月に西庁舎解体工事を完了させ、10月から西庁舎用地の埋蔵文化財調査に着手(〜29年3月)するとともに、本・西庁舎、分庁舎の建設工事の入札を公告する。12月に建設工事の仮契約を行い、29年2月市会に建設工事契約議案を提案する考え。議会承認が得られれば3月に本契約し、4月に着工する予定。本・西庁舎、分庁舎の太陽光発電設備は29年度以降に発注する予定。その後、30〜31年度に北庁舎の各工事を発注し、31年度に北庁舎解体と建設工事に着工する。34年度の整備完了を目指す。
 事業費は整備工事関連費が約320億円となり、基本設計時と比べ約19億円増となった。増額理由の内訳は労務、資材単価の上昇約9億円、本庁舎の現状調査等に基づく保存改修費用の増加約6億円、仮設費(防音パネル、交通誘導員、仮設設備等)約4億円。
 地下通路整備費は約13億円を見込み、合計約333億円を想定する。
 京都市の新庁舎整備事業では、本庁舎(RC造地下2階地上4階建、延1万6678u(建築面積約3400u))を使用しながら改修工事を進めるとともに、北庁舎と西庁舎は建替え(建築基準法上は本庁舎の増築扱い)、押小路通北側には分庁舎を新築する計画。本庁舎とゼスト御池地下街をつなぐ地下通路を整備する。
 本庁舎は基礎部分に免震部材を設置する基礎免震工法を採用。西庁舎は地下1階、北庁舎は地下2階の柱頭に免震装置を設置する柱頭免震工法を採用し、本庁舎、西庁舎、北庁舎の3棟が一体となる免震構造とする。分庁舎は地下2階の柱頭に免震装置を設置する柱頭免震工法を採用する。
 建替える庁舎の規模は、分庁舎がS造一部RC造・SRC造地下2階地上4階建、延約2万3930u(建築面積約4710u)。高さは17・88m(軒高15m)。危機管理センター、執務室、駐車・駐輪スペース等を収容する。1階部分には押小路通と二条通をつなぐ通路を設ける。本庁舎側3階と分庁舎4階は上空通路で接続する。分庁舎4階部分は圧迫感の低減のためセットバックする。屋根は勾配屋根を採用する。
 西庁舎はS造一部SRC造・RC造地下1階地上4階建、延約3100u(建築面積約650u)。高さは31m。執務室、店舗、機械室等を収容する。
 北庁舎はS造一部RC造・SRC造地下2階地上7階建、延約1万7100u(建築面積約2450u)。高さは31m。執務室、議場スペース、駐車スペース等を収容する。西庁舎と北庁舎は一体とし、スペース効率を高める。寺町通に面する1階部分に店舗を配置し賑わいを創出するほか、押小路通、寺町通の歩行空間を創出する。
 北庁舎・分庁舎1階まわりに市民スペースを配置し開放的な設えとする。北庁舎の1階部分は一部執務室等を配置せず視線の通るピロティとする。北庁舎の5階以上はセットバックする。
 本庁舎、西庁舎、北庁舎を合計すると延約3万6940u(建築面積約7000u)、分庁舎と合わせ合計延6万0870uとなる。
 平面図によると、西庁舎の地下1階は機械室上部、本庁舎の地下1階は西中庭、東中庭、執務室、会議室、倉庫、機械室、トイレ、多目的トイレ等、北庁舎の地下1階は駐車場(東4台、西5台)、車路、倉庫等。西庁舎の地下2階は機械室、本庁舎の地下2階は通路ホール、(本庁舎とゼスト御池地下街をつなぐ)地下通路、北庁舎の地下2階は倉庫、機械室。西庁舎の1階は店舗、トイレ等、本庁舎の1階は執務室を中心に会議室、待合コーナー、市民スペース、倉庫、機械室、トイレ、多目的トイレなどを配置。北庁舎の1階は行政情報公開コーナー、証明書発行コーナーなどを配置する。西庁舎の2階は中央監視室、機械室、本庁舎の2階は議場、市会議長室、市会副議長室、議員控室、市会図書室、執務室、多目的室、倉庫、機械室、トイレ、多目的トイレ等、北庁舎の2階は市会運営委員会室、全員協議会室、理事会室、委員会室1〜4、機械室等。西庁舎の3階は執務室、機械室、トイレ等、本庁舎の3階は議場傍聴堰、市長室、第一応接室、執務室、トイレ、多目的トイレ、北庁舎の3階は傍聴ロビー兼市会モニター室、授乳室、執務室等。西庁舎の4階は執務室、機械室、トイレ等、本庁舎の4階は正庁の間、執務室、機械室、トイレ、多目的トイレ等、北庁舎の4階は執務室等。西庁舎の5階は屋上、屋外設備スペース、本庁舎の5階は屋上庭園、屋外設備スペース、太陽光パネルスペース、北庁舎の5階は執務室等となる。北庁舎の6階は執務室、機械室、トイレ、多目的トイレ等、北庁舎の7階は執務室、会議室、機械室、トイレ、多目的トイレ等。
 分庁舎は地下1階が執務室、倉庫、トイレ、多目的トイレ等、地下2階が倉庫、機械室、トイレ、駐輪場(114台)、駐輪場(2段式・436台)等、1階が執務室、中央監視室、文書交換所、指定金融機関、トイレ、多目的トイレ、駐車場(10台)、バイク置き場(15台)等、2〜3階が執務室、トイレ、多目的トイレ、4階が危機管理センター、会議室、機械室、倉庫、トイレ、多目的トイレ、屋外設備スペース、屋上庭園、(本庁舎側3階と分庁舎4階を接続する)上空通路等。建物中央は中庭で、4階まで吹き抜けとなる。
 28年度当初予算には市庁舎整備事業に13億0483万4000円を計上するとともに、債務負担として新たに限度額2億3730万円(28年度)及び250億円(28〜32年度)を設定した。
 新庁舎整備の基本設計・実施設計は日建設計大阪オフィス(大阪市中央区)。