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建通新聞社(中部)
2016/09/12

【三重】大規模災害後の復旧・復興に不可欠、地籍調査進捗図る 津市

津市は、大規模災害発生後の復旧・復興の促進に欠かせない「地籍調査」の進捗を図るため、市の津波浸水想定区域に当たる香良洲町など26平方`を重点区域と位置付け、今後2024年度までに集中的に調査を実施し完了させる計画だ。15年度末の市全体の調査進捗率3・07%を24年度末に約2倍の6・45%とする目標値を掲げた。重点区域のうち、調査未着手となっている17・99平方`について15年度から地籍調査に着手しており、16年度は香良洲地区などで調査を行う。
 津市の地籍調査の現状を見ると、対象面積は682・9平方`で、調査進捗面積は20・9平方`、進捗率は3・07%と低く、県下29市町では19位の位置にあり、三重県全体の進捗率9・33%に対して大きく下回っている。東日本大震災後に、地籍調査が未実施の地域で復旧・復興が速やかにできなかったケースがあったことから地籍調査の重要性が認識され、国が各自治体での促進を図っている。
 市は14年度に、国道23号より東側の海岸域に当たる香良洲、雲出、高茶屋・藤方、白塚などの26平方`を重点区域と位置付け、14年度に香良洲地区の1・73平方`を対象に国が先行して「都市部官民境界基本調査」(以下、境界調査)を実施し、15年度に香良洲地区の1・1平方`と雲出地区の2・1平方`で境界調査を実施し、香良洲地区の0・56平方`で市が地籍調査を実施した結果、進捗率を3・07%とした。境界調査は地籍調査を効率的に進めるために街区単位で道路などの官民境界を明確にする調査で、1年目に国が基本的な基準点設置などで地形測量を行い、2年目に土地所有者立ち会いで調査するもの。併せて、15年度から市が行う「官民境界等先行調査」(街区の外枠を示す街区調査図を作成して地籍調査を促進させる)を香良洲で実施した。
 本年度以降の計画では、16年度に香良洲地区の1・17平方`で市が地籍調査、高茶屋・藤方地区の0・67平方`で境界調査、官民境界等先行調査を実施する計画。17年度は香良洲地区の1・1平方`で市が地籍調査する予定で、白塚地区他で境界調査を国に要望している。
 全体計画としては対象の26平方`について、境界調査を踏まえた調査も含め、地籍調査で3・71平方`、官民境界等先行調査で11・62平方`、津地方法務局調査(不動産登記法に基づく地図作成)で2・66平方`を実施し、既調査済みの8・01平方`と合わせて完了するものとしている。
 調査促進の枠組みとして、14年12月に重点整備区域を設定し、併せて「津市地籍調査事業計画」の策定に向けて、計画策定の助言、検討を行う推進組織として「地籍調査推進協議会」を15年1月に設立した。16年3月に同事業計画を策定し、主に重点地区の優先度や実施予定時期などを設定し、計画に沿って事業推進を図るものとしている。

提供:建通新聞社