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建設経済新聞社
2016/09/08

【京都】二条城の本丸御殿保存修理 来春から5ヵ年で計画

 京都市は、中京区の元離宮二条城について、本丸御殿保存修理工事を計画している。
 対象は、重要文化財(建造物)本丸御殿玄関、御書院、御常御殿、台所及び雁之間の4棟。孝明天皇の仮皇居にもなった旧桂宮家今出川屋敷の主要な建物を明治期に移築したもの。阪神大震災で玄関棟の柱が折れるなどの被害を受け、応急的な補強をしたものの、耐震性に問題があるため、毎年春と秋の特別公開を休止している。
 今回の修理では破損木材の取替えや屋根瓦の葺替え、壁の塗り替え等の工事を行う計画。併せて21〜22年度に実施した耐震調査の結果を踏まえ、柱間に耐震壁、小屋裏に水平筋違を設置するなどの補強を行う考え。
 修理・補強内容は、@仮設工事(素屋根、資材置場、工作小屋、修理事務所、仮囲い等の設置)A基礎工事(石工事、土間工事)B木工事(破損・腐朽木材の取替え、軸部の不陸修正等)C構造補強工事(水平ブレース・合板補強壁の設置、床下の足固めの補強)D屋根工事(桟瓦葺・銅板葺・こけら葺屋根の全面葺替え)E左官工事(上塗の漆喰、中塗り、荒壁の塗り替え)F建具工事(舞良戸や襖、障子などの修理・建て合わせ)G表具工事(唐紙・金地・鳥の子・障子貼り)H金具工事(錺金具・釘隠しの修理・新調)I塗装工事(漆塗り、胡粉塗り等)J雑工事(畳工事、樋工事他)K障壁画修理(亀裂補修、剥落止め等)。
 工期は29年4月から34年3月までの60ヵ月を予定。29年度は共通仮設施設の設置と台所及び雁之間の修理、障壁画修理を行う。玄関・御書院・御常御殿は30年に着手する予定。