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北陸工業新聞社
2016/09/10

【石川】CLT、新たな建築資材/谷本知事が9月定例会提案説明/工芸館、金沢市と連携し基本設計/新幹線敦賀以西本年中にルートを

 石川県議会9月定例会が9日、開会した。谷本正憲知事は提案理由説明のなかで、奥卯辰山健民公園新公園センター(仮称)の建設に際し、新たな建築資材として注目される直交集成板「CLT」(Cross Laminated Timber/クロス・ラミネイティド・ティンバー)を壁や天井の一部に採用する意向を示した。
 築後50数年が経過し、老朽化した既存公園センターの改築にあたり、谷本知事は「県産材を積極的に活用するほか、県有施設として初めて、軽くて強度があるCLTを壁や天井の一部に採用。また、休憩スペースを現在の1・5倍とするなど、利用者の利便性を大きく高め、来年度の完成に向け、工事に着手する」と述べた。今年度から県有施設初のCLT建築物の工事が始まる。
 北陸新幹線の金沢・敦賀間に関し、谷本知事は「平成34年度末までの確実な完成・開業に向け、用地交渉を進め、先月末現在の県内の取得率は約8割となった」。敦賀以西にも触れ、「3ルートについての事業費等に係る調査が進められ、今後、与党の北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会に報告予定」とした上で、与党においては「調査結果を踏まえ、メリット・デメリットを整理し、本年中にルートを決定してほしい」と強調した。
 金沢港無量寺岸壁の国直轄による水深10メートル化事業で、2バース同時施工による工期短縮を図るためには既存のクルーズ乗船客向けの駐車場を作業ヤードとする必要から、近隣に代替駐車場を整備することや、東京国立近代美術館工芸館の移転については、金沢市と連携して基本設計に着手すると説明。9月補正予算案に関連事業費がそれぞれ盛り込まれた。
 道路網の整備のうち、南加賀道路は「本年度に加賀市曽宇町から細坪町間を供用させ、残る細坪町から熊坂町間は年内に工事着手する」との見通しを示した。
 IoT(モノのインターネット)の活用促進に向け、谷本知事は6月に県と情報通信研究機構が締結した包括提携に基づき「機構の専門家を県内企業に派遣し、製品開発や生産の効率化を支援していく」と述べ、国の研究機関との連携を一層密にしながら、県内産業のさらなる競争力の強化に意欲を示した。
 県立中央病院建て替えは「今月中に最上階まで柱や梁が組み上がり、新たに外壁工事に着手するなど、順調に進捗。来年度中の開院を目指し、着実に工事を進める」と説明。国は8日、いしかわ動物園で飼育するトキ5羽の公開決定。谷本知事は「佐渡以外では初めての公開。今後、年内のできるだけ早い公開に向け、トキの順化訓練を行うなど、必要な準備を進めていく」と述べた。
 JR東日本、JR西日本に対する仙台から金沢まで、大宮での乗り換えなしで直接乗り入れる新幹線の運行要請で、谷本知事は9日に団体臨時列車として11月7日の運行が決まったことを明かした。

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