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建通新聞社(神奈川)
2016/09/15

【神奈川】横浜市 小・中学校、築70年までに「統合」「複合化」「機能改善」で改築 事業費平準化、着工は五輪後

 横浜市は小・中学校を原則として築70年までに建て替える。総額約1兆2800億円、ピーク時で年間約800億円と試算する事業費を平準化するため。検討に当たり「統合」「複合化」「機能改善」の三つの視点を設けるなどして効率的に事業を実施する考えで、公民連携を含めた多様な事業手法の導入も視野に入れている。2017年2月に基本方針案をまとめるなどして、20年東京オリンピック・パラリンピック後の工事着手につなげる。
 学校施設は市の公共建築物の約4割を占める。昭和40〜50年代に集中して建設したため、既に5割以上が完成から40年以上経過している。
 これまでは00年度策定の「長寿命化基本方針」に基づいて、築70年まで長寿命化することにしていた。ただ、築70年に満たなくても老朽化による不具合が発生し、整備水準の見直しに伴う拡充も難しいなど、良質な学習環境を十分に提供できないのが実情だ。
 単純に築70年で建て替える場合のピークは36年度と45年度。それぞれ年間約800億円の事業費が必要になり、市の財政を圧迫しかねない。このため築70年超の施設が生じないよう、小・中学校(高校、特別支援学校は別途検討)を対象に一部を前倒しして建て替える。
 建て替えの検討に当たって設定する視点を具体的に見ると、「統合」では児童・生徒数の減少で統合が見込まれる学校を、統合に合わせて建て替えるとした。「複合化」は建て替えに合わせて他の公共施設との複合化を探る。「機能改善」は学校運営に支障がある学校や現行の整備水準を大きく下回る学校を建て替える格好だ。
 公民連携を含めた多様な事業手法は、他の公共施設と複合化するケースで想定。学校施設と一体で効率的・機能的に市民サービスを向上できる管理運営の実現を狙う。
 財政負担の縮減に向けて、建て替えを巡る国の補助制度(3分の1)を新・増築と同じ2分の1まで引き上げるよう要望する。統合で生じた学校跡地は▽建て替え時の校舎移設▽仮設校舎の建設地▽まちづくりの視点に基づく売却―などに活用する。
 提供:建通新聞社