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建通新聞社四国
2016/09/23

【香川】香川県地価調査概要 下げ止まり傾向顕著

 香川県は2016年の県内地価調査の概要を明らかにした。7月1日現在の県内182地点を調査。地価の下落は県全用途平均で対前年平均変動率(平均変動率)1・4%減と、下落率の縮小した前年(2%減)と比べ下落幅はさらに縮小。下げ止まり傾向が顕著となった。地価の下落は全用途平均で1993年以降24年連続。商業地は92年以降、25年連続の下落。
 県内の地価動向について、香川県地価調査香川分科会代表幹事で不動産鑑定士の岩井競平氏は、「住宅地は県全体として人口減少、高齢化率の上昇などによる需要減少により24年連続の下落。ただし、下落幅は年々縮小傾向にあり、県全体の平均値は年間マイナス1・2%と極めて小さな値となっており、下げ止まり傾向が顕著」と分析した。
 岩井氏によると、県庁所在地、高松市の住宅地の地価動向は、49継続地点のうち上昇9地点、横ばい11地点で、下落傾向から横ばい、上昇傾向へと変化しつつあるとしている。上昇地点は大別して二つのエリア。一つは市街地中心部付近の生活利便性の高い地区で人気校区エリア(栗林・桜町校区等)。具体的には番町・昭和町および上之町・今里町を挙げる。
 もう一つのエリアが郊外の新興住宅地域で、宅地開発が活発、地区内人口が増加し価格水準が比較的低位であり標準的なサラリーマン世帯が購入可能な価格帯に収まる地域。具体的には多肥上町・林町・上林町・三谷町としている。また、横ばい地点は、これら2上昇地点エリアの周辺の住宅地域を挙げる。高松市以外の市町の一部(丸亀市・宇多津町・直島)にも横ばい地点が見受けられるようになった。
 一方、商業地は「郊外大型商業施設への顧客の流出が続いており、中心商業地の空洞化、小規模小売店舗の閉鎖などが依然として認められ、有効需要の減退とともに地価は25年連続で下落。ただし、下落幅は年々縮小傾向にあり、県全体として年間マイナス1・5%と極めて小さな値」として、こちらも下げ止まり傾向が顕著と分析した。
 高松市の地価動向は上昇地点はないものの、横ばい地点が最高価格地である中央通りの磨屋町をはじめ、16継続地点中7地点(昨年1地点)と大幅に増加した。横ばい地点は主に高松市中心部の商業地で「空室率、稼働状況に大きな変化はないが、賃料が一定水準を確保しているため、長年の地価下落によって、結果的に投資環境に改善が認められたことを反映したと思われる」と分析。「中心部も外国人観光客の増加に伴ってホテル需要を見込んだ動きも予想される」として、商業地の地価への影響に注目する。
 県内は横ばいの直島町を除き、8市8町の住宅地、商業地、全用途平均のいずれも下落。下落率が大きいのは土庄町(2・6%減)、小豆島町(2・4%減)、坂出市(2・3%減)の順。
 住宅地の継続地点122地点のうち、前年に比べ価格の上昇は9地点、16地点で価格が横ばい、97地点で下落。基準地の平均価格は1平方b当たり3万2900円(前年3万3100円)。基準地数が一定でなく、物価変動率その他の要因を考慮せず、平均価格のみを比較すると、住宅地は1981年以前の水準という。市町別に見ると、高松市は4万7400円(前年4万7500円)で最も高く、次いで丸亀市3万4100円(同3万4500円)、坂出市が2万7100円(同2万7700円)と続く。
 商業地の平均変動率でも上昇を示した市町はなく、全市町下落。下落率の大きい順は土庄町(3%減)、坂出市(2・6%減)、宇多津町(2・3%減)だった。商業地の継続地点39地点のうち、7地点が価格横ばい、32地点で価格が下落した。
 商業地の平均価格を市町別に見ると、市では高松市が1平方b当たり10万6600円(前年10万7000円)で最も高く、次いで丸亀市が7万1500円(同7万2400円)、観音寺市6万4000円(同6万4700円)。町では宇多津町が5万2100円(前年5万3300円)で最も高く、琴平町5万1400円(同5万2200円)、土庄町4万9200円(同5万0700円)と続く。
 価格上位の基準地で商業地1位は高松(県)5―11(高松市磨屋町2ノ6外)のあなぶきセントラルビルで前年と変わらず。価格は1平方b当たり38万2000円。住宅地は高松(県)―36(高松市番町3ノ14ノ8)が1位。変動率0・9%増。1平方b当たり22万1000円だった。

提供:建通新聞社