トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2016/09/27

【神奈川】住宅、大規模商業施設に制限値 土地利用調整の手立て模索 内陸工業集積地域の土地利用転換 横浜市

  横浜市は内陸工業集積地域にある大規模敷地の今後の土地利用転換を見据えた対応策を検討する。住居系と商業系への転換が地域に与える影響を把握して、住宅や大規模商業施設の立地を制限する値(制限値、敷地面積や延べ床面積など)を具体化。土地利用調整を巡る現行制度の見直しを含めて有効な手だてを考える。ポリテック・エイディディ(東京都中央区)への業務委託を通じて作業を進め、2016年度内に成果を得る。
 市では▽都市計画マスタープラン(地区プラン)▽街づくり協議指針▽土地取引の事前手続き▽開発調整会議▽特別用途地区▽地区計画―などの土地利用調整制度を用いて工業集積地域の土地利用転換を誘導。ただ、土地利用転換の進行で用途が混在し、既存工場の操業環境や新たに立地する共同住宅などの住環境に影響が出ている。住居系への転換では学校をはじめとした公共施設の不足、商業系への転換については駅周辺の商業経済の低迷が懸念材料だ。
 このため、土地利用調整を巡る現行制度の有効性を検証するとともに、他都市での取り組み事例も調べて対応策を検討することにした。
 対象となる内陸工業集積地域は▽鶴見東部▽鶴見西部・港北東部(うち日吉駅〜綱島駅までの東側を中心とするエリア)▽内陸南部(戸塚区南部を中心とするエリア)―など。
 住宅系の土地利用転換では、共同住宅が立地可能な面積3000平方bの敷地を洗い出し、今の土地利用や周辺徒歩圏の生活利便施設の状況などを調べ、必要になる学校の新・増築コストも算出。その上で、2021年までの教室飽和率(現況教室数に対する推計学級数の割合)が100%以上にならないようにするための住宅制限値を設定する。
 一方、商業系の土地利用転換に関しては検討対象地域に近接する駅1`圏の商業施設と、駅1`圏に影響する郊外部大規模商業施設計画の総床面積をそれぞれ算出。これらを基に駅1`圏の商業施設が経済活動を維持する上で必要となる、郊外部での大規模商業施設の立地制限値を定める。
 対応策のうち現行制度の見直しについては、土地取引の事前手続きや開発調整会議の効力・機動性の向上、特別用途地区の追加などを視野に入れている。
 業務の履行期限は17年3月14日。
 提供:建通新聞社