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日本工業経済新聞社(埼玉)
2016/09/29

【埼玉】関東地整と日本橋梁建設協会が意見交換会

 関東地方整備局と日本橋梁建設協会は、さいたま新都心合同庁舎2号館で意見交換会をこのほど開催した。協会は業界発展のための環境整備、担い手確保・育成、橋梁保全事業の環境整備に関して要望・提案を行った。整備局は今後の社会資本整備について安定的・持続的な予算確保に努めるとしたほか、橋梁保全において工事の適正を踏まえた多様な入札方式の選定を検討する方針を示した。
 大西亘局長は冒頭のあいさつで「建設産業の持続的な安定に若手技術者の育成・確保は不可欠。労働環境の改善は皆さまの尽力が大前提だが、発注者としてできる限りの支援をしていきたい」と考えを述べた。石井孝会長は「本日は老朽化対策、技術者育成、i−Constructionについて貴重なご意見をいただき、有意義な会議にしたいと思っている」と求めた。
 協会は橋梁事業が未来持続型事業となるよう要望を行った。整備局は首都圏の広域的な幹線道路網を形成し、道路交通円滑化・環境改善・沿線都市間連携強化・物流効率化などを図っていくとした上で、社会資本整備に必要な公共事業予算の安定的・持続的な確保に努める方針を示した。
 設計変更ガイドラインについては適切な運用が図られるよう指示書への変更見込み概算額の記載などを促進し、実態に見合った設計変更契約に努めている。加えて、各事務所に対する説明会や地方自治体との情報共有により、理解度向上を図っている。
 適正な工期設定に関しては各現場事務所を指導するとともに、土木工事条件明示の手引き案に基づき、特記仕様書などにおける用地取得や関係機関との協議など条件明示に努める。
 さらに、協会は担い手の育成・確保について要望。整備局は若手技術者の育成に関して、技術者育成型の試行や若手技術者活用評価型を含め、多様な入札制度の実施に努める方針。技術継承のために桁橋以外の橋梁工事や長大橋プロジェクトの必要性を認識しており、安全性・経済性・施工性などを踏まえて橋種を選定するほか、長大橋については適切な事業で採用する。
 女性技術者の活用に関しては女性技術者登用モデル工事などを実施しているとしたほか、10月1日以降に入札手続きを開始する工事について快適トイレの設置を原則とする。
 週休2日制に伴う下請会社への費用保証、クレーン・足場などリース費用に関する要望に対しては、土曜日・日曜日・祝祭日や雨などによる休止期間を考慮して予定額を算定していると説明した上で、より実態に即したものとするよう努めると述べた。
 また、協会は橋梁を長寿命化させるための要望・提案を行った。整備局は鋼橋保全工事を鋼橋上部工事の業種で発注するよう求める意見に対して、主たる部分を占める工事内容を勘案して工種を決定しており、今後も工事内容・難易度・実績を考慮し、適切に選定するとした。
 直接工事費の積算においては施工条件に見合った実態価格となるよう努めるとともに、施工条件が明らかになったことに伴う設計変更・請負代金変更・工期変更を適切に行う方針。
 配置予定技術者の有効活用に関しては、後片付け期間や余裕期間制度などの活用を勧めた。
 橋梁保全における工事の手戻りなどを避けるため、協会から設計・工事が連携した発注方式が提案された。整備局は品質確保に民間事業者の技術提案・創意工夫が活用されるよう配慮することが望ましいとの見解を示し、工事の適正を踏まえた多様な入札方式の選定を検討すると述べ、さらなる提案を求めた。
 自由討論で整備局は、今後の鋼橋架設工事について▽首都圏中央連絡自動車道栄IC・JCT付近(神奈川区間)▽同松尾横芝IC〜大栄JCT(千葉区間)▽東関東自動車道潮来IC〜鉾田IC▽新大宮上尾道路――を挙げ、予算の都合などにより発注が遅延している状況を説明した。