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日刊建設工業新聞
2016/09/29

【鳥取】9月補正案2・2億円盛る 年度内に全19河川完了

 大規模な水害に備え避難態勢を強化するため、県土整備部は警戒水位を定めた水防警報河川14カ所の浸水想定区域を前倒しで見直す。2016年度「9月補正」に事業費2億2000万円を盛り込んでおり、氾濫シミュレーションを実績のあるコンサルタントに委託し、結果を市町村が作成するハザードマップに反映させる。
 昨年9月の関東・東北豪雨を踏まえ、同部は「水防法」に規定される県管理の水防警報河川、水位周知河川19カ所の浸水想定区域を15年度から見直している。
 これまで支川ごとに策定する河川整備計画の中で、10〜50年に一度クラスの大雨を想定していたが、浸水想定区域の見直しでは「それ以上の想定し得る大規模な大雨」(同部河川課)に条件を設定。氾濫解析し、時間経過に伴って浸水の深さや範囲を示す「洪水浸水想定図」を作成する。また、河岸侵食や護岸の越水による「家屋倒壊等氾濫想定区域」も設定する。
 当初は15年度から19年度までに全19河川をシミュレーションする予定だったものの、今回、通常の9月補正に加え国経済対策を活用して16年度内にすべて前倒しで完了させる。
 15年度から16年度当初予算までに鳥取市内の野坂川、大路川、河内川、勝部川、日置川の5カ所でシミュレーション。9月補正後、岩美町の蒲生川など残り14カ所で実施する。
 浸水想定区域の見直しによって、同部は「市町村のハザードマップ作成を支援し、防災体制の拡充につなげたい」(河川課)と話している。
 また、8月の台風10号で氾濫した岩手県岩泉町の小本川は、警戒水位を定めていない比較的小規模な河川だった。同部は19河川以外の対策ついては、8月に立ち上げた「警戒・避難情報のあり方検討会」(会長・?見吉晴鳥取大学副学長)を通じて検討していきたいとしている。
 16年度完了に向けて前倒しでシミュレーションする14河川は次の通り。
▽蒲生川(岩美町)▽小田川(〃)▽塩見川(鳥取市福部町)▽八東川(八頭町)▽私都川(〃)▽三徳川(三朝町)▽東郷池(湯梨浜町)▽由良川(北栄町)▽加茂川(米子市)▽旧加茂川(〃)▽佐陀川(〃)▽精進川(〃)▽日野川(日南町)▽板井原川(日野町)