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建通新聞社(中部)
2016/10/18

【三重】前川の河川整備方針示す 三重県

三重県県土整備部は、志摩市内を流れる「前川」を対象にした河川整備計画の策定に向けて、基本方針(原案)と整備計画(原案)を作成し基本高水流量と計画高水流量の数値案を示した。整備計画原案には、洪水対策として築堤、河床掘削など、津波対策として堤防嵩上げ、液状化対策、前川防潮水門の耐震化などを盛り込んだ。9月に開催された2016年度三重県河川整備計画流域委員会〈第3回〉(委員長=松尾直規中部大学工学部教授)で、両案を審議した。今後、12月ごろに開く同委員会に整備計画案を示す予定だ。
 前川は、志摩市阿児町鵜方の山地から発し、上流部ではパールロード、国道260号と交差し、中流部では志摩市役所北側を流れ、近鉄志摩線と交差し、下流部で国道167号の前川橋、前川防潮水門を経て英虞湾に注ぐ流路延長約3`を県管理区間とする2級河川。流域面積は6・5平方`。以前より洪水による被害が発生しており、1967年から前川橋の上流部で河川局部改良事業に着手したのをはじめ、前川橋下流側でも改修事業が行われ、河口から延長1・9`地点の明神橋まではおおむね暫定計画で整備が完了している。
 今回県側が示した基本方針(原案)を見ると、計画規模を示す年超過確率を30分の1とし、基準地点は河口部のカヤウで基本高水流量を毎秒120立方bとした。
 基本方針を踏まえて当面目指すべき目標として設定する整備計画(原案)では、対象期間を30年間とし、計画規模は10分の1確率とした。基本高水流量を同基準点で毎秒100立方bとした。
 整備メニューを見ると、河道部の整備対象区間を下流部の小向井橋から上流部の野田橋までの延長約1・7`とし、このうち、明神橋から野田橋までの未改修区間延長0・6`を拡幅するとともに、同区間内の国道260号交差部のボックス(河道)を付け替えする。小向井橋から明神橋の区間では、局所的に掘削を行う他、浅間橋の架け替えを計画する。
 地震・高潮対策として対象となる河口部の前川防潮水門は、56年に設置した樋門を99年に防潮水門として改築したもの。現施設では、想定津波高さが水門の高さを超えていること、L2地震動(理論上最大クラス)に対する耐震性照査で耐震性に課題があったことから、地震後も治水機能を維持するために門柱などの補強を必要とした。

提供:建通新聞社