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建設新聞社(長崎)
2016/10/15

【長崎】西海市 風力発電ゾーニング 全国で4カ所のモデル地域に

風力発電適地・保全地域にゾーニング
   環境省モデル事業の一環で調査・検討

 西海市は、環境省が進める『風力発電等に係るゾーニング手法検討モデル事業』のモデル地域として、市内を風力発電の適地≠竍環境保全を優先する地域≠ノゾーニングする。併せて、風力発電の立地を踏まえた地域振興策も検討する。モデル地域は、西海市のほか、北海道八雲町、宮城県、徳島県鳴門市の4か所。
 風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入は地球温暖化対策の観点から重要。一方で、陸上風力発電で立地適地をめぐって民間事業者の計画が集中するなど、環境面では累積的影響を考慮する必要性が指摘されている。このため環境省は、地方公共団体が、環境面だけでなく経済面・社会面も統合的に評価して、再生可能エネルギーの導入を促進すべきエリアと、環境保全を優先すべきエリアなどを設定するゾーニング手法の検討を進めている。
 今回のモデル地域は、ゾーニング手法検討の一環として、実際にゾーニングを実践する自治体を全国から公募。地域性などを考慮して選定した。
 西海市では、国からのモデル事業委託金≠受けて9月補正予算に2159万6000円を計上。離島を含む西海市全域とその周辺海域を対象に、ゾーニングの検討を事業者に委託して進める。ここでは、風況のほか、標高や傾斜・地質などの地形情報、道路や送電幹線へのアクセスといった「事業性」とともに、▽環境保全・国土保全・農業振興などに関する法規制▽鳥類の営巣地、渡り鳥情報▽景観(歴史・文化・観光資産からの見え方)▽住宅地からの距離―などの「環境配慮事項」の情報を整理。さらに、商業、漁業、農業といった市内の幅広い関係者で組織する協議会を設置して検討してゾーニング分けする。
 協議会の中では、風力発電設備の維持管理、監視、メンテナンス部品の納入など、地元の産業界で対応できる分野なども検討し、地域の活性化につなげていく。
 モデル事業の期間は2017年度までの2か年。西海市では、来年度も継続して調査・検討を進め、来年度末までに、市内を民間企業による発電事業の実施に適したエリア≠竅A無秩序な開発を抑制するエリア≠ネどに分けた地図を作成する計画だ。
ksrogo